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悪魔のかつら屋
THE GRUESOME TWOSOME

米 1967年 72分
監督 ハーシェル・ゴードン・ルイス
出演 エリサベス・デイヴィス
   クリス・マーテル


 さあて、今回は『悪魔のかつら屋』です。これはスゴイですよお、下らなくって。とにかく、作り手の投げやりな姿勢が手に取るように判る。

 内容は邦題のまま。かつら屋を経営するキチガイ母子の仕入れ先は人間でしたあ、という身も蓋もない物語。こんな単純な物語なものだから、本筋だけだと30分で終わってしまう。そこで時間を延ばすために、オツムの弱そうなハイティーンの女の子を主役に据えて、この娘に連続殺人事件の探偵ごっこをさせる。
「あの人が怪しいわッ」
 とかなんとか云って、怪しい男を尾行して、
「あれえ、違ったわあ」
 このシーンだけで10分稼ぐ。すげえ。


 それでもまだ1時間に充たないので、大幅にドライブインシアターのシーンを追加する。スクリーンにはとにかくやたらと食う男が映し出されている。顔は見えない。手元だけが映っている。そして、延々とポテトやバナナを食いまくる。隣の恋人が求愛しても、それでもなおも食い続ける。こんなシーンが10分も続く。そして、驚くべきことに、このシーンは本筋とまったく関係がない。すげえ。

 製作・監督のハーシェル・ゴードン・ルイスは、ヘタながらも『血の祝祭日』や『2000人の狂人』というヒット作を生み出しているが、本作は更にヘタになってしまっているようだ。この人は作品を重ねるほどにヘタになる。いったいどういうわけだ?。


関連人物

ハーシェル・ゴードン・ルイス(HERSCHELL GORDON LEWIS)


 

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