どう見ても同時多発テロの元ネタとなった映画である。ビンラディンはともかく、アルカイダの誰かがこれを見てパクッたとしか思えない。それほどによく似ている。
ビンラディンを連想させるテロリストのエライさんが米軍に拉致された。弟分は早速、神経ガスを大量に仕入れて、ワシントンへと向かうジャンボ機をハイジャック。兄貴を釈放しないとワシントンを死の街にするぞと脅迫する。
情報部顧問のグラント博士は、この弟分の性格を知っていた。何を仕出かすか判らない男だ。ひょっとしたら、兄貴分が釈放されても特攻する気でいるかも知れない。
そのことを確かめ、大量殺戮を未然に防ぐために、グラント博士ら特殊部隊一行は、決死の覚悟でジャンボ機に乗り込むのだった.....。
神経ガスの搭載と、テロを未然に防げたことを除けば、同時多発テロの筋書き通りである。乗っ取り犯の中にパイロットがいるところまで同じだ。
しかし、私はこの映画を「テロリストに知恵をつけた」と責めるつもりは毛頭ない。それは猟奇事件が起こるたびにホラー映画を槍玉に挙げるのと同じぐらい愚かなことだ。
むしろ責められるべきなのは、映画のような荒唐無稽なテロ行為を現実に行わしめるほどに怨みを買ったアメリカ外交なのだろう。
最近の報道特集なんかを見ていると、合衆国市民もそのことに気づき始めているようだが、知能指数が歴代最下位のブッシュさんを親玉に掲げている以上、泥試合はまだまだ続きそうである。(註1)
註1 この原稿を書いたのは2年以上前だが、いまだに泥試合を続けたままである。やれやれ。
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