もえちんの場合
                               

もえちんの特徴

 

Coloboma(欠損)
もえちんの場合は脈絡膜欠損が両眼にあると言われています。
2001年7月現在詳しい検査はまだ行われておらず、どれぐらいの視力があるのかは分かっていません。

写真では分かりづらいかもしれませんが、右眼はいつも潤んだような感じがしています。
左眼のほうがすっきりしていますが、欠損は左のほうが強く、物は右眼で見ているような気がします。

右眼を手で抑えると左眼が中央に寄ってしまい動作が止まります。
おそらくほとんど左眼は見えていないんじゃないかな??

 

  

Cranial nerves(脳神経)
もえちんは顔の右側に顔面麻痺があります。
写真で見ると分かると思いますが、右側には笑っても皺ができません。

1時期、少しひどくなっているんじゃないかと心配になりましたが、今はほとんど変化がありません。             

 

 

 

 

Heart(心臓)
もえちんには先天性心疾患があります。
病名はファロー四徴症、肺動脈閉鎖です。
手帳は心臓機能障害で1種1級を取っています。

今までに2度の姑息手術をしていて、肺への血流を確保するためのシャント手術を左右に行いました。
最近のカテーテル検査では冠動脈も異常走行していることが分かりました。
体調もよく3月から5月の間に根治手術をする予定です。気管切開は感染を警戒して一度閉じる予定。
今度の手術は呼吸器の問題もあり、通常のファローの根治手術よりも危険度がアップすると言われています。


2002年1月現在
体内の酸素濃度数値
SPO2は平均75%で頑張っています。

2002年3月25日
心内修復術を行いました。
肺動脈形成のために左心耳と自己心膜を用い、足りない部分を心外導管で補うという方法をとりました。
心室中隔欠損部分はパッチを貼り、穴を閉じました。
気管切開をしたままの手術だったので正中切開法をとらず、横に開いて心臓を手術するというあまり例のない
手術方法でしたが、手術自体は成功しました。

手術の後遺症で
横隔膜神経麻痺が残ってしまいました。

T先生の説明してくださった図から抜粋


左の横隔膜神経が麻痺しているため呼吸をしても横隔膜が下に下がらなくなってしまった。
(肺が正常に膨らまない)

原因としては手術に伴い、

@直接横隔膜神経を切断
A立体的に進展して切断
       心臓を触るときに他の臓器を動かしたとき(肋骨をひろげた時)に伸びて切断してしまった
B手術中心筋を保護するために氷で冷やすときに麻痺が起こった。

いずれかが原因と見られるが普段調子が良いときは特に問題はないけれど、感染などして痰が増えると左肺の下のほうに
痰が溜まってきてしまう問題が生じてしまうそうです。
また換気が上手く出来ないために酸素化が悪くなり血中酸素濃度が下がってきて呼吸困難になる。
そのため人工呼吸器が必要になってしまうそうです。

今後はあまり頻繁に肺炎を起こすようであれば、横隔膜を下に下げて肺を膨らみやすくするという外科的手術も
考えないければならないそうです。

もえちんがこの肺の状態に慣れてくれて自分できちんと痰を外に出してくれるようになれば大事にはならずにすむのかもしれません。

2003年2月12日
横隔膜の手術をしました。
今回は内視鏡での手術で時間はかかりましたが、無事成功。
血液中の二酸化炭素の濃度が正常近くまで戻ることができました。
手術後の回復もよく、横隔膜麻痺の問題はひとまずクリア。
  

 

Atresia of Choanae(後鼻腔閉鎖)

幸いといってはなんですが、もえちんには後鼻腔閉鎖はありません。
ただ、左の鼻の奥が少し狭いようです。
口唇裂の手術の後、鼻の穴にレチナというシリコン製の形を整えるものを5ヶ月近く挿入していましたが、
最近少し鼻の形が悪くなってきてしまいました。もえちん父は「男だから関係ない!!」と断言。

 

Retardation of growth and/or development(成長・発達の遅延)

誕生時は平均的な体重・身長で生まれてきました。
甲状腺ホルモン障害があると診断され、薬でホルモンを補っています。
この薬は体重増加に比例して増やされているようです。
2002年1月(1歳8ヶ月)で体重は5700グラム。身長は71センチ。
首は座っているのですが体幹筋が弱いためしっくりきません。
寝返りもあともう少しで出来るところまではきていますが、完全には出来ません。
*2002年4月(1歳11ヶ月)で体重は7000グラム。身長は72センチ。

 

Genitourinary anomalies(生殖器形成不全)

おちんちんは小さく、睾丸は移動性じゃないかと言われています。もう少し他の状態が安定したら
きちんと診断してくださるようです。ホルモンの方は副腎皮質ホルモンの方は問題なしとのことで男性ホルモンの投与などは
もう少し後になってからとの事。
詳しいことはまだ分かりません。

Ears anomalies(耳形成不全:外耳、中耳、内耳)

左右の耳の形が違います。
写真は左側ですが、右よりも若干下のほうに付いており、まん丸な形をしています。
耳たぶはほとんどありません。
右側は左よりも前に出ている感じでもうちょっと平ぺったい耳をしています。

CTを撮ったとき三半規管、蝸牛の形成不全を指摘されましたがもう少し大きくなってから
正確な診断をしてくださるとの事。
鼓膜の内側に水が溜まっていて2001年7月12日にチュービングの手術をしました。
2001年12月には耳だれが多く、補聴器が使えないためチュービングを外しました。痛い思いをさせてしまいました。
手帳は聴力障害6級です。

補聴器

もえちんの補聴器のイヤーモールドです。
規定の形だと耳の外に出る部分が大きすぎるので改造してもらいました。(壊れると修理代がかなり痛い!!)
補聴器は高度難聴タイプを申請していますが、今使っているものは自費で買ったアナログタイプの
もの。アナログだけどデジタルのような音を出す最新のものだそうです。
福祉対応のものも使ってみましたが、いまいち音が割れるので補聴器をつけること自体が
通常より遅かったこともあって思い切って買いました。




Cleft palate or Cleft Lip(口唇口蓋裂)

片側性口唇裂があります。2000年9月に手術済み
軟口蓋に裂があるため今現在はホッツ床という軟口蓋裂から唾液などが垂れこまないように
プレートを入れています。
右側の歯茎が欠損しているため将来的には歯茎を作る手術をする予定でいます。
口蓋裂の手術は体重が10キロ以上になってから行うと言われています。

  

 

 

呼吸器・消化器系

声帯麻痺、喉頭狭窄があります。
生まれてから泣き声が出ず、おかしいなと思っていたら声帯麻痺でした(両側)。
泣き出すと呼吸不全を起こし危険なため、2000年7月に気管切開を行いました。
今現在は人工鼻で頑張っています。人工鼻はインターメド社のもの。顔よりも出っ張っているのでうつぶせにすると
苦しいのか嫌がります。退院したらこれは自費購入。なんと一つ1400円もするんです。
毎日交換するので...色々情報集めに奔走しています。

嚥下障害があるためミルクは経管栄養をしています。今は1日720Kcal.
エレンタールを入れていましたが彼には合わずに断念。今はミルクを1.5倍の濃度にして1回120CC。1日6回あげてます。
(外泊のとき結構大変です)

2003年
相変わらず経管栄養中
クリニミール200CCを4回、21%濃度ミルク150CCを1回。
エレンタールは合わなかったけどクリニミールは問題なし。

気管食道ろう
気管と食道の間に穴があることがわかりました。
食道から内視鏡検査、造影検査、気管からのファイバー検査といろいろな検査をしてもらいましたが、幸いにも穴はつながっておらず
今現在は経過観察中。

 

Hypotonia(低緊張)

ベッドに寝ているときは下の写真のようにおもちゃを持ち上げたりして元気に遊びます。
顔色もよく覇気もありますが、座らせてみると写真右側のようにぐったりした感じで座る以外は何もしません。
1分もしないうちにぐずってきてしまいます。
今はリハビリの先生にお座りの練習をしてもらっていますが、低緊張がいつまで続くのかは正直分かりません。

2003年
相変わらず状態の筋肉は弱そう。
抱っこで座らせていてもしっかりと支えていないとフラフラしてしまいます。
夏からの集中リハビリで変化があることを期待。

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