時の話題2002-10
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2002-12-27
総目次 タイトル索引 テーマ別索引 索引 2002-9
今月の目次 ◇印は《日々雑感》より転載
今月中は、青色本文に加筆する場合があります。
【狭山事件B】vol.88《日々雑感より》
◆市内の三高校の解放研で定例の早朝駅前ビラ配布。僕も、顧問としてともに出勤途上の人たちにビラを手渡した。冤罪だと確信しているが、狭山事件で石川一雄さんが逮捕され、無期懲役判決が出されて今日で29年になる。いわゆる「山場闘争」の日だが、各校解放研はさまざまに人権問題に目を向けて活動しており、そんな活動紹介を市民に伝える生徒達の自主活動だ。(270、02/10/31)[→10月目次]
【拉致被害者の永住帰国と在日外国人】vol.87《日々雑感より》
◆拉致被害者の永住帰国の問題で、北朝鮮に残してきた子どもの気持ちが焦点の一つになっている。16歳の外国人登録を前に自らの民族を知らされることもある在日外国人の子どもや、生まれ故郷の友や生活と別れて日本に渡日してくる子ども達の心の葛藤と通じるところが多いと感じている。私たちの身の回りには、そのような悩みや葛藤を秘めた外国人が多数在住していることに気づきたい。(269、02/10/28)[→10月目次]
【全校人権集会2002】vol.86《日々雑感より》
◆23日、勤務校で全校人権集会がありました。学校五日制等で行事の精選がどの学校でも課題ですが、勤務校では、昨年までの夏の反戦平和学習会と秋の人権講演会の2つの行事が、今年から全校人権集会という1つの行事になったのです。校長が秀吉と朝鮮の話をした後、解放研・解放委員会から水平社博物館見学のスライド報告があり、「夏の人権作文から」として僕の講話、そして職員劇をして、各クラスホームルームです。僕は、全体司会と3番目の講話が受け持ちで、芝居については名前だけのプロデューサー。約20分の芝居は、同僚の作品で、出演の6名は連日練習を重ねてくれました。ぶつぶつセリフをつぶやきながら廊下を歩いていた教員までいたほどです。車椅子生活の彼との結婚に父親が反対するという大筋に、いろいろな要素を加えて、5人の配役それぞれの悩みへのアドバイスを考えてみようというものです。とても元気な子ども達が多いんですが、さすがに教員劇はしっかりと受け止めてくれたようです。(268、02/10/24)[→10月目次]
※水平社博物館
【在日朝鮮人と強制連行】vol.85《日々雑感より》
◆「現在の在日朝鮮人=強制連行の被害者」というのが誤解であることは、立場を越えて真面目な研究者の指摘するところです。強制連行被害者の多くは単身「渡日」で、帰国が比較的身軽であったため、その多くは戦後早い時期にかなりの方々が帰国されているようです。「広義の強制連行」に含める考え方もあるんですが、日本による植民地支配等によって経済的に追いつめられた人々が、生活の糧を求めて中国や日本などへ移住された方が多くいました。現在の在日朝鮮人の大半は、戦前・戦中に生活基盤が日本に移動したり、戦争による家族の離散、帰還船の不足、財産持ち出し制限、朝鮮戦争の勃発、等の事情で、帰国がままならなかった方々とその子孫であるといえます。もちろん「狭義の強制連行」被害者も日本には実在します。この点を誤解・混同している人がおり、日本の負の歴史を消し去ろうとする勢力によって、格好の批判対象にされています。真に民主的な社会をめざすためには、科学的で正確な歴史認識が必要であることを示す例の一つでしょう。尚、この種の問題に関する当方掲示板への投稿はご遠慮ください。ご意見は直接kurochanまでお願いします。(267、02/10/22)[→10月目次]
【日朝国交交渉】vol.84《日々雑感より》
◆現在一時帰国中の北朝鮮への拉致被害者5人は、再度日本を訪問することができるのだろうか?さらに「気軽に行き来できる国交」が成立するのはいつのことだろうか?と思っていたら、拉致議連事務局長の平沢勝栄議員は「送り返す必要は全くない」と発言。一方、政府は27〜28日あたりまでの滞在を被害者家族に提案しているようだ。家族全員の帰国もめざしているという。同時に、両国政府が「自由に行き来できる国交」回復成立に向け、環境作りを進めることを期待する。(265、02/10/17)
◆北朝鮮の核開発が表面化したが、米国の「悪の枢軸名指し」戦略との絡みで考えると、イラク攻撃に向けたパワーシフトのために、拉致問題に集中している日本を核査察問題に引きずり戻すねらいがあるのではないか。国家の戦略に振り回され、民族間の憎悪を増幅する悲劇を繰り返すことは、いい加減にやめたいと思う。(265、02/10/17)
◆拉致被害者の永住帰国の問題で、北朝鮮に残してきた子どもの気持ちが焦点の一つになっている。16歳の外国人登録を前に自らの民族を知らされることもある在日外国人の子どもや、生まれ故郷の友や生活と別れて日本に渡日してくる子ども達の心の葛藤と通じるところが多いと感じている。私たちの身の回りには、そのような悩みや葛藤を秘めた外国人が多数在住していることに気づきたい。(269、02/10/28)[→10月目次]
【3つの偶然】vol.83《日々雑感より》
◆「歴史」は偶然の産物ともいいます。偶然誰かが目撃し、偶然誰かが記録し、偶然それが現在に伝わった、というわけです。そして、3つの偶然をクリアした断片の数々を再構成する時、ぶれが生じるのは避けられませんし、さまざまな主観や意図やウソや推測が加わることも完全に排除することは難しいでしょう。常に再評価することも必要です。重要な視点は、「何を大切にするか」だろうと思います。以後の論は別の機会に譲りますが、少なくとも「すべての人がともに生きる民主社会」に資する科学的歴史研究をすすめたいものです。(264、02/10/16)[→10月目次]
【大阪府立高校と2期制】vol.82 ☆中尾さん筆
◆大阪府立の高校の3割が来春より2学期制に移行するとか。制度には確かにメリットとデメリットがある。5日制に対応する授業時数確保には確かに効果的。しかしヒートアイランド大阪で、テストなしの7月6時間授業。これも克服しないといけない問題多々ある。授業の時間数より濃密な授業の中身、創意工夫を懲らせる時間が多くなるのは歓迎だ。しかし教職員の討議も十分でないまま、職員会議の法的な補助機関化を盾に、横並びで2期制に移行する現場も多いと聴く。さらに総合的な学習の時間と相反する、ぶれの多い「遠山プラン」。企業を分社化して活性化しようとする規制緩和と、教委の組織文化をモデルとする護送船団「学校化」との対立の中で教師自身が疲弊しているんだ。(02/10/12掲示板投稿)[→10月目次]
【学校という施設】vol.81《日々雑感より》
◆学校・教員が求めることと、生徒たちが求めること。人それぞれであっていい事と、忘れてはいけない共通の理想と。家庭の事情と保護者の願い、教育行政の目論見と教育予算。教育についての教員の理想と歪み、立場や義務と保身。学校という施設は何のためにあり、どう作ってゆくのか。党派を越えた理想追求の議論を!(263、02/10/8)[→10月目次]
【公園遊具と安全】vol.80《日々雑感より》
◆5日、馬見丘陵公園へ。妻の姉の子・颯太1歳2か月と2歳になったばかりの「ゆうひ」と半日遊ぶ。遊び方次第ではどの遊具も危険だ。とりわけ危険な箱型ブランコは固定・撤去の傾向にあるようだが、この公園の様に保護者の監督責任を記した注意書きを全公園に表示させる方向にすすむべきなんだろうか?自他の命と安全・健康と人権を守ろうとする社会風土を、まず大人が実践を通して常時子どもたちに示していく事が大切だと思う。何かといえば「心」の問題とする、予算無き行政免罪論を免罪する気はさらさらないが。(262、02/10/7)[→10月目次]
【水国争闘事件】vol.79《日々雑感より》
◆3日、県教委の人権教育研修に参加。午後は水国争闘事件の跡を辿るフィールドワーク。全国水平社創立の翌年、1922年3月、ある被差別部落から運ばれていた花嫁道具を指し、隣村の老人が典型的差別ジェスチャー。部落の少年二人が目撃し詰問。割って入った駐在が口止めするが、結局は全水と右翼国粋会の武装衝突に。さらに翌年、騒擾罪で双方検挙者が出る。デモクラシーへの警察・右翼の介入や、差別に対する行政施策の問題点や、差別を見逃さず指摘する大切さなど、学ぶべき課題は色々ある。そして事件関係者の人間模様。少々暑かったが歩く大切さを再確認。(261、02/10/5)[→10月目次]