クイズ【201】
如是我聞インド古代史
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2005-11-04
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【201】出題日 2005年10月29日(土)
「如是我聞」とはお経によくでてくるフレーズ。これは年代を明らかにすることにさしたる意義を示さない古代インドの歴史叙述の習慣に由来する表現だといわれます。そのため古代インド史は、シャカの生存した時期さえ約1世紀の誤差があるほど年代確定が難しいジャンルですが、紀元前4世紀のある人物の登場は、インド内外の歴史記録の比定によって古代インド史の年代確定に重要な役割を果たしています。さて、その人物とは誰でしょうか? |
応募締切 2005/11/ 4(金)午前6時 難易度・・・・★★★ |
正解者・・・フーセンの羊さん、ケムンパスさん→3ptゲット
(得点表)
解説と解答
「輪廻転生」という思想は、古代インド人を支配していたわけですが、歴史叙述にも影響を与えています。問題文でふれたように、時間の特定という観念が極めて曖昧なのです。そのため、相当詳しい歴史事実が記録されているのに、時期の特定が難しいといったことが、古代インド史ではよく起こります。
ところが、古代インド史の年代特定に重要な役割を果たす事件が起こります。歴史叙述を学問的に完成させていたギリシア人たちがインドに入り込んできたのです。あの有名なアレキサンダー大王です。ギリシア側は、アレキサンダーの遠征を年代とともに克明に記録していたのです。結局、風土の違いから統率がとれなくなったアレキサンダー軍は撤退しますが、ギリシアの戦法を学んだチャンドラグプタが3度目のクーデターに成功してマウリヤ朝を建てたところから、インドでも統一国家がようやくできあがり、アショーカ王が登場するわけです。
というわけで、正解は「アレキサンダー大王(アレクサンドロス大王)」です。
輪廻転生思想と、ウパニシャッド哲学や仏教との関係については、またずれクイズにしますね。