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【1】難易度★★★★★ 出題日時:2001年10月13日(土)14時59分12秒、応募締切2001/10/22
6:00 ある牧場に牛を50頭放すと10日で草を食べつくしました。 30頭放すと30日で草を食べつくしました。 では20頭放すと何日で草を食べつくすでしょう。 |
この問題は、食糧問題を学習する時に導入で使われることがある例題です。
まず、50頭の牛が10日間で食べた草の量と、30頭の牛が30日間にべた草の量に互いがあることに注目します。牛1頭が1日に食べる草の量を「1頭分」と言うとすると、前者は50×10=500頭分、後者は30×30=900頭分となります。同じ牧場の草を食べつくしたというのに、なぜ400頭分の差ができるのか?それは、草が日々生えてくるためです。これを考えに入れないと矛盾してしまいます。さて、草の生えるペースを考える必要がでてきました。この400頭分の差は、10日間で生えた量と30日間で生えた量の差です。つまり30−10=20日間に400頭分が生えたのですから、この牧場で1日に生える草の量は400÷20=20頭分になります。一日20頭分の草が生える牧場に20頭の牛を放すのですから、差し引きすると草はいつまでたっても無くならないことになります。一応、最初に牧場に生えていた草の量を確認しておきましょう。前者の例から計算すると、50頭の牛が10日間で食べた500頭分の草のうち、20×10=200頭分はこの10日間に生えたのですから、最初に生えていた量は500−200=300頭分になります。念のため後者の例でも計算すると、30頭の牛が30日間で食べた900頭分の草のうち、20×30=600頭分はこの30日間に生えたのですから、最初に生えていた量はやはり、900−600=300頭分になります。つまりこの牧場に20頭の牛を放す場合、常に300頭分前後の草が生えている状態がいつまでも続くことになります。したがって正解は、「何日たったも食べ尽くせない」です。
式の立て方は様々ありますが、
・一日に生える草の量 (30×30−50×10)/(30-10)=20[頭分]
・元々の牧場の草の量 (50×10−20×10)=300[頭分]
または (30×30−20×30)=300[頭分]
・χ日目終了時の草の量 300+20×χ−20×χ=300[頭分]
つまり、何日後においても、草の量は常に300[頭分]である ∴何日たっても草は無くならない
地球の資源には、農産物のように増える資源もあれば、鉱山資源のように増えない資源もあります。増える資源とのつき合い方としては、この問題のように、消費するペースが増えるペースを越えないようにすることが大原則になるわけです。あわせて分配の問題を考えることも大切だと、社会科の授業では展開していきます。まして増えない資源とのつきあい方はもっとシビアだ、ということになるわけです。身近な例えで言えば、「300円の貯金があって、1日20円のお小遣いをもらうとき、1日20円ずつ使っていけば、いつまでもお金は無くならない」ということです。ましてお小遣いがもらえなくなったら、無駄遣いはできなくなりますね。(2001/10/20筆)