少し前(2011年1月頃)にメンテを実施した CA-303 を紹介いたします。基本機能であるプリアンプには特段問題は無かったが、何となく冴えない気がしたので、何時もの通りコンデンサ交換を主にメンテナンスを実施いたしました。2ch/3chのチャンネルデバイダを内蔵しているが、チャンネルデバインダにはあまり興味が無く未メンテ。また、テストトーン発振にも興味が無く未メンテです。ちなみに100Hz、1kHz、10kHzのテストトーン信号のうち、現在100Hzと10kHzは不調な状況です。 |
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@ | メンテナンス前 |
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SANSUI CA-303 |
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電源回路部 液漏れコンデンサは交換することに |
カバーに打痕 | |||
A | 接点の清掃 | |||
先ず、コントロールアンプはスイッチ、ボリウムなどの接点箇所が多くありますので接点を洗浄剤でクリーニングしました。下の写真に写るメインボリウムはカバーが付いているので、今後のことも考えてΦ3の穴を開けて置きました。そこから接点復活材を吹きかけて接点を清掃できるようにしてあります。CA-303のメインボリウム以外のボリウムやスイッチの大半は、カバーがなく剥き出しの接点型アッテネータなので接点洗浄作業は結構楽でした。 | ||||
このボリウムは素晴らしい作りです。 分解しようとしたのですが面倒なので 接点清掃だけとなりました(笑)。 |
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B | コンデンサ交換 | |||
次に主要な電解コンデンサやオイルコンデンサを交換しました。まだ完璧ではありません。そのうち全てを交換したいと考えていますが、これがなかなか出来ない状況となっています。チューブラ形コンデンサは本当に入手できなくなっています。 |
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アッテネータがずらり | 電源部の電解コンデンサ 下のコンデンサは代替品が無く 結局、そのままになりました |
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コンデンサが高級感を漂わせますね |
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C | マジックにてマーキング オリジナルは赤マジックにて真空管の名称が記載されています。薄くなって見えないことから黒マジックにてなぞるように記載し直しました。 |
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12AX7と12AT7をオリジナル文字の上から 黒マジックでなぞっています |
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D | 塗装 | |||
カバーに傷や打痕があったので再塗装しました。格子の色合わせを行ったが全くあっていない。ここでも塗装技術が無いことを痛感。格子の部分は黒くなるため、若干明るい色で塗装をしたが逆にそれが裏目に出てしまいました。でも、離して撮影すれば判りませんね(笑)。 | ||||
打痕跡も判らなくなりました | ||||
E | 試聴して | |||
本プリアンプからAU-9500に接続して確認試聴を行いました。今回のメンテ作業で繊細でとてもクリアーな音質になりました。本プリに匹敵した管球パワーアンプでの試聴をしたいところですが、そのようなパワーアンプは所有していないので未確認状況です。また、現状はPhono に接続しての試聴も未実施状況です。 | ||||
今後出来れば不調箇所であるトーン信号(100Hzおよび10kHz)を修理したいと思っていますが、何時もの通り何時になるか不明な状況です。マランツやマッキントッシュを意識し、且つ多機能に設計したようで、プリアンプとしては若干無駄な部材が目立つような気がします。 | ||||
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スペック 型式 プリアンプ 出力電圧 2V(定格)10V(最大) 周波数帯域 10Hz〜50000Hz 入力感度/インピーダンス Phono1、2:2.0mV/30kΩ 50kΩ 100kΩ切換式 AUX:200mV/250kΩ SN比 80dB 全高調波歪率 0.1%(定格出力) トーンコントロール 高域:20kHz、+12dB〜-8dB(2dBステップ) (可変周波数、1800、3400、6000Hz及びディフィート) 低域:20Hz、+12dB〜-8dB(2dBステップ) (可変周波数、159、340、700Hz及びディフィート) 構成 真空管×6(12AX7×4、12AT7×2) トランジスタ×2 ダイオード×8 外形寸法 幅435×高さ155×奥行281mm 重量 10kg 価格 \88,000(1967年) |
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