正月休みにメンテで楽しもうと思いゲットしました。12月初旬と早めにゲットしてしまい、一時保管場所に大変苦労しました。何せ50センチ幅と大変大きく、また23kg以上もある重量級です。3畳しかないオーディオルームというより実験室兼物置には置くスペースが全く無く、やむを得なく居間に2週間程置きっぱなしとなっていました。別の場所に保管棚を造り、6台のアンプを移しました。空いたスペースにAU-9500を設置して試聴して見ると左側からの音が出ません。パワーアンプの入力にCDプレーヤーをアッテネータ経由で接続すると、問題なく音が出ます。どうやらプリアンプ部の故障のようです。サンスイのアンプの中でも名機と言われているAU-9500、一体どんな音を出してくれるのでしょう。早速、メンテを行いました。 |
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サンスイの プリメインアンプ |
75W+75W ダンピングファクター50 |
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SANSUI AU-9500 |
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@ | クリーニング | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
まずはクリーニングから始めます。トップカバー、ボトムカバー、フロントパネルを取り外し、エアーで埃を吹き飛ばします。やはり外観も綺麗でないと良い音が出ない気がしますし・・・ (2006年12月31日大晦日) |
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トランスには錆があるが他には 錆は無いようです |
外観チェック 問題部品は無さそうです |
フロントパネルも洗剤で水洗い 大分綺麗になりました |
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接点も可能な限り磨きます | 修理痕跡 3つの Tr を交換修理したようです |
Tr の足は真っ黒です | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A | 音出し確認 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ゲットした直後にも確認したのですが、左側からの音が出ません。清掃や接点洗浄後の音出し確認を行いましたが、事象は変わらずです。最初は左右ともに音が出たのですが、10分程度したあと左から「ガサガサ」と接触不良のような音がしたあとに音が全くでなくなってしまいました。1972年製なので故障しても止むを得ないのです。 (2006年12月31日大晦日) |
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B | 故障箇所の特定/修理 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
まずはプリ部とメイン部を分けてチェックしたところ、メイン部は問題ないことから、どうやら故障箇所はプリ部のようです。CDからの信号をオシロスコープで追いかけていくことを考えましたが、一台しかないオシロが調子悪い。まずはプリ部のメインPKGである「F-2019B」の劣化パーツである電解コンデンサを全て交換することにしました。 |
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コンデンサー交換作業 (2007年1月5日) |
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上のようにF-2030をどかし、 下にあるF-2019Bを取り出します |
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取り出した直後のF-2019B | F-2019Bの裏面 綺麗に見えるが何度か修理したらしく パターン剥がれが数箇所あります |
全ての電解コンデンサを交換 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電解コンデンサ交換後、単体の電解コンデンサの容量を測定したら4本が大きく相違していました。イコライザ部の電解コンデンサは問題ないレベルでした。 | 主なPKG名 F-2006A :Phonoイコライザ部 F-2019B :プリアンプ部 F-2029 :メインアンプ部 F-2030 :安定化電源部 |
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ついでにF-2006Aの電解コンデンサを 一部交換しました |
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トランジスタ交換作業/不良箇所の再検討 (2007年1月8日) 前所有者が交換した代替 Tr を正規の Tr に交換しました。今回の問題と直接関係無いと思うがたまたま手に入った 2SC1313(6本) と 2SC634A(2本) を交換しました。 明日から冬季休暇も終えるため、元に戻し通電してみました。左CHから音が出ない問題が修正されていません。ショックです。やはり闇雲にパーツ交換しても駄目なんですね。もう一度、基本から確認して行く事にしました。するとプリアンプの Input に既に信号が来ていません。回路図を眺めながらオシロスコープで信号を追いかけると、メインボリウム自体に左CHの信号が来ていません。どうやらバランスボリウム辺りが故障の原因らしい。バランスボリウムはフロントパネルを外さないとチェック出来ないので、今日はここまでで断念しました。 |
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右のTr は調達したTr です。 余りはスペアに保管します。 |
[参考] F-2019B :プリアンプ部に使用されているTr 2SK30(2)、2SA726(4)、2SC1313(6)、 2SC726(2)、2SC634A(2) |
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トランジスタ交換作業/不良箇所の再検討 (2007年1月13日) バランスボリウムをテスターで測定して見ると、何ら問題ありません。R側の波形が現れない件はオシロスコープの設定ミスと判明し、早速、オシロスコープを正しく設定しました。オシロスコープもたまに使用すると使い方を忘れてしまいます。 プリアンプの2段目にある 2SA726 を交換したかったが入手できなかったので、代替に 2SA1505(Y) を入手して交換しました。それでもR側から音が出ません。今度はL/Rの各 Tr のエミッタ(E)、コレクタ(C)電圧を測定すると明らかに電圧が違うのです。いろいろ悩んでいるうちにひらめきました。それは Tr 交換作業時の間違えでした。この F-2019B 基板は左右対称パターンではなく、パターン配置が微妙に違っているのです。基板に印刷してあるE、C、B(ベース)をもう一度チェックしたら、2箇所が間違っていました。 |
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トランジスタ交換作業/音出し確認/測定 (2007年1月19日/20日) 間違っている2箇所の Tr を修正し、音出し確認すると見事な音が出ました。これで修理完了です。2時間程度エージングを行いましたが、CD/レコードを問題なく、且つ安定して聴くことが出来ました。結局、R側から音が出ない原因はプリ部初段の 2SK30 の FET 故障(オシロスコープで波形を確認しましたが、非常に不安定)でした。修理が長期化したのは小生の思い込みによる極性相違による Tr 半田付けでした(笑)。 ついでに AC100V の消費電力を測定すると無音で23[VA]、1W出力程度で27〜45[VA]でした。ちなみに正常動作している AU-111 の2号機を測定すると無音で195[VA]と AU-9500 は消費電力が少ないことが分かります。 FET を 2SK30A から 2SK30ATM と換えて試聴しましたが、やはり微妙に音質が違いますね。現在は1個36円の最新である 2SK30ATM を使用しています。 |
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音出し確認中 | CD試聴 (エージング中) |
レコード試聴 (エージング中) |
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交換部品(回路図) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
右ch のプリアンプだけの回路図を抜粋しています。赤マーキングが故障パーツ、黄マーキングが予測交換パーツ、青マーキングが Tr 取り付け間違い箇所です。ちなみに左右同じ条件(パーツ)で交換しています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
C | 反省 トランジスタアンプは回路が複雑なので真空管アンプのように山勘で修理してはダメなんですね。やはり回路図による各ポイントの適正電圧、そして波形を追って不良箇所の特定が必要と言う事が分かりました。 |
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D | 試聴 やはりオーディオファンが絶賛するアンプだと思います。落ち着いていて、AU-111に似た音質だと思います。真空管アンプのように明るさ、楽しさのようなものは感じませんが、しっかり落ち着いたノイズの無いアンプです。オーディオ評論家のように上手い表現は出来ませんが、コレクションとして置いておきたいアンプであると思います。 |
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