結膜下出血
白目が真っ赤になりました。痛くもなんともないのですが周りの人が心配するので来
ました。眼底出血でないか心配です。白目に出血すると脳の出血の前触れだと言われ
ました。
毎日、2,3人、白目の出血で受診します。見た目がすごいので心配する人が多いです
ほとんどの場合心配ないのです。見た目がすごそうな結膜下出血について説明します。
@ 結膜下出血とは
結膜の下の小さい血管が切れて出血したもので、
白目の部分が真っ赤になります。(左写真)
出血がおきたときは目がごろごろしますがほとん
ど症状はありません。
出血して1,2日は白目の下を血液が広がります
ので、出血の範囲が広くなることもあります。
1、2週間して自然と吸収します。
A 眼底出血と違うのですか
眼底は目の奥のほうです。眼底に出血がおきても
外からはみることができません。結膜に出血して
も眼底には出血がおきません。左図の前の赤い部
分が結膜下出血、後ろの赤い部分が眼底出血です。
また角膜(黒目)には血管がないため出血はお
きません。結膜(白目)は血管が豊富なので出血
がおきます。
B 出血と充血は違うのですか
どちらも、患者さんは目が赤くなるといいます。
出血は血管が切れて血液がでるのでその部分に血
管は見えません。充血は血管が太くなった状態で
すので血管がすじになって見えます。結膜炎のと
きは充血がおきます。(左下写真)
C 原因は
一番多いのは(ほぼ100%)、これといった原因がないものです。目をこすった
り、くしゃみや咳をしたり、酒を飲んだりすることが誘因となることもあります。
外傷や手術、眼球を強く打ったり、手術の後は出血がおきることがあります。
急性結膜炎 ウイルスによっておきる結膜炎では出血がおきることがあります。
全身的な病気 高血圧、糖尿病、血液の病気、腎臓の病気などで出血がおきるこ
ともあります。
1ヶ月のうちに何回も繰り返すようなら、異常がないか検査をします。
D 治療は
ほとんどは自然と吸収します。ごろごろするようなら炎症を抑える点眼を使います。
E 心配な結膜下出血は
次のようなときは、眼科で検査を受けたほうがいいです。眼外傷後の出血、痛み
やかゆみや目やにを伴うとき、何回も繰りかえすとき、熱があるとき
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