頭　痛


　　世の中に頭痛持ちのかたは沢山います。眼科にも、目が痛いから、目の奥が痛いから目の病
　　気ではないかと多くの患者さんがきます。これらの痛みは頭痛のことが多いです。眼科医は頭
　　痛の専門家ではないのですが、頭痛について簡単に説明してみます。

　　目が原因でくる頭痛
　　患者さんが一番心配するのが緑内障です。ほとんどの人は緑内障になると目が痛くな
　ると思っています。確かに、急性緑内障の発作の時は目と頭に耐えられないような強い
　痛みを起こします。60歳以上の人で、急に目が痛くなり、頭痛などが起きて充血がひど
　くなって見えにくくなったらこの緑内障の可能性があります。しかし、ほとんどの緑内
　障は痛みをおこさず知らないうちに進行します。眼精疲労でも頭痛がおきることがあり
　ます。

　　慢性の頭痛
　　　頭、首、目、耳、歯、口などに痛みを起こす病気がないのにおきてくる頭痛です。一
　　般に頭痛といわれているものです。その主なものは片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛で
　　す。群発頭痛は強い痛みが長期に続くために眼科の外来を受診することはほとんどあ
　　りません。
　　　一般に眼科の外来でみられるのは、片頭痛と緊張型頭痛です。またほとんどの頭痛が
　　このいずれかのタイプです。　ここではその二つのタイプの頭痛について説明します。

	片頭痛と緊張型頭痛の特徴と治療
	片頭痛	緊張型頭痛
痛みの性質	拍動性の痛み（脈拍に一致）	締め付けられる痛み
痛みの部位	片側、両側のときは左右差がある	両側
吐き気　嘔吐	伴うことがある	伴わない
そのほかの症状	光、音、不快な臭いに敏感	肩こり、めまい
前駆症状	目がちかちかする　生あくび おこりそうな感じ	なし
頭痛の誘発	ストレスからの開放、寝起き、 飲酒などリラックスしている時	ストレス、過労、うつむきの姿勢
初発年齢	30歳以下	30歳以降のこともある
家族歴	あることが多い	少ない
治療	最近、片頭痛に効く新しい薬が 発売された。	頭痛薬を上手に使う。姿勢を改善したり、背筋を伸ばすなどの運動

　　　頭痛薬の使いすぎによる頭痛
　　　頭痛薬を1ヶ月以上続けたり、決められた量以上使うと、脳の痛みへ感受性が強くなり
　　　以前にもまして、強い痛みが毎日続くようになることが知られています。
　　　頭痛薬は薬局などでも簡単に手に入ることから、ついつい使いすぎてしまうことがあ
　　　ります。
　　　痛みが強いときだけ使って症状が軽いときはできるだけ使わないようにしましょう。
　　　
　　　眼科での頭痛の治療
　　　痛みが目の病気からきているか検査します。片頭痛か緊張型頭痛が疑われるときは
　　　飲み薬をだします。治療によっても軽快しないときやほかの病気が疑われる時はそ
　　　れぞれの専門の先生をご紹介します。