@目薬という薬
点眼にたいする一般の人の気持ちは、かなり適当なことが多いです。
「目の調子が悪いので目薬をつけていました」「なにをつけていたのですか」「たんすにあった目
薬です」「女房がつけていたのをつけました」、「………40というくすりです」「……子供目薬です」
点眼は便利なだけについつい適当に考えがちですが、当然病気によって薬は違います。
A 1日6回の点眼を指示した患者さん
「4時間に1回点眼しているが、夜も目ざましで起きて点眼しているので大変です。」
こちらの説明不足でした。1日3回なら毎食後、4回なら毎食後と 就寝前、6回なら4回プラス午
前10時と午後3時ころです。
B 冷所保存の点眼
「この前だしてもらった薬は冷蔵庫に保管しておくようにいわれましたが、外出しても目薬をつ
けるために帰ってこなければならないし、旅行することもできません。」
2週間くらいであれば室温で保存しても問題ありません。外出のときだけ持って出てもいいです。
D どの薬からつければいいですか
何種類か点眼をだすと、どの薬からつければいいですかと聞かれます。5分間を空ければどれ
から点眼しても効き目は同じですが、なかなか時間を守ってつけることは大変です。点眼間隔が
短ければ、後から付けた方がよく効くはずです。順番を決めずに毎回違うほうがいいです。
Eすぐに薬を使い切ってしまう人
5mlの点眼薬を1日3回両眼で処方すると5日で使い切ってしまう人、月に何回も薬をとりに
来る人がいます。少し使いすぎですよと注意をします。では、どのくらい使えるのでしょうか。
5mlの点眼はメーカーによっても違いますが、大体140〜150滴入っています。 1回2滴、
両眼に3回で使うと、1日で12滴、大体2週間使えます。逆に、1回処方すると何ヶ月も薬があ
るからと受診しない人は、決められた回数をつけていないことがわかります。
F子供に点眼するとき
嫌がる子供に点眼するとき、どのように指導していますか。よく、親が押さえて点眼してい
るイラストを見かけますが、とんでもないことです。子供に恐怖感をあたえることは良くないで
すし、泣くと涙で薬が流れてしまいます。私の勧めている点眼方法は、寝ているときに下瞼を
あかんべして瞼の裏に点眼を落とすようにします。それでもだめなときは、目を閉じていても
いいですから瞼の内側に3滴くらい落としておきます。あまり時間にこだわると押さえつけるこ
とになりますので、多少時間はずれてもいいですよと付け加えておきます。
Eどの位残っていますか
患者さんは瓶にシールが貼ってあり、残薬の量がわからないと言います。そして、たくさん
残っているのに心配だから新しい薬をだしてくれと言います。 どうしたら残りの量がわかる
のでしょうか。瓶を寝かせて底から見てください。残りの量が正確にわかります。
Fしみる薬、しみない薬
「今度の薬はしみて具合が悪い」「この薬はしみないから効いた気がしない」患者さんはい
ろいろなことをいいます。市販の点眼薬ではしみて具合がいいというような宣伝をしています。
しみるという事は、PHがあっていなかっ たり刺激物が入っているわけですから。しみない
薬がいい薬ということです。
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