遠 視
遠視といわれました。遠視は遠くが見える目だと思っていました。近視は病気でないが遠視は病
気だと言われました。遠視は遠くも近くも見えない目だといわれました。遠視について説明してほし
いのですが。
遠視とは ほとんどの人は遠視という言葉は知っていますがどのよ
うな状態か知っている人は少ないです。遠視は遠くが見える目だと思っ
ている人がいます。遠視とは遠方からの光が眼底のに後ろ像を結ぶ状
態です。(左の図)
遠視のしくみ 生まれたときは眼球の長さは短いのですが、次第に
長 くなってきます。ちょうどいいところで伸びるのが止まれば正常ですが、
伸びが早めに止まれば遠視になります。身長が伸びてあるところで伸び
が止まり背の低い人がいるのと同じです。背が低いから伸びるようにす
ることができないように眼球の長さも短いから長くすることはできません。
鼻が2mm低くても気にならないですが、目は2mm短ければ強い遠視
になります。 僅かな目の成長の違いで遠視となります。
(左下の図は調節をしている)
遠視と視力 若いころから遠視でよく見えたというのは間違いです。目には水晶体という部分があり、
ピント合わせの働きをしています。ピントを合わる働きを調節といいます。軽い遠視では、調節の働き
で見ることができます。1.2見えても目が頑張っているのです。遠視もある程
度以上強くなると調節してもピントが合わなくなり、視力が悪くなります。
遠視の視力は変動する 遠視では調節の程度によって視力は変動します
ので視力の値だけで判断はできません。同じ日に測定しても、0.6のこと
もあれば1.0のこともあります。
遠視の程度の判定は 遠視とは眼底の後ろにピントが合う状態ですから、眼底のどのくらい後ろにピ
ントがあっているか調べればいいです。はっきり見えるレンズの度数で遠視の程度がわかります。
眼鏡を掛けない視力がいくつだからどの程度の遠視とはいえません。
なぜ遠視は病気か
@ 軽い遠視では、はっきり見るために遠くを見るときも近くを見るときも、調節をして目は常にがんばっ
ています。このため疲れの原因となります。
A 中程度の遠視では、強い調節を常にしているために、斜視の原因となります。3歳過ぎから始まる
内斜視の多くは遠視が原因の調節性内斜視です。
B 強度の遠視では、調節してもピントが合わないために、見ることをあきらめるため視力の発達が止
まって弱視となります。
加齢と遠視 年をとってきたら遠視が始まったという人がいます。遠視は生まれつきの異常ですが、
若いころは調節力が強いため見えます。年を取ると調節力が衰えるために頑張れなくな
って視力が悪くなってきます。遠視が始まったのではなく頑張れなくなったというこ
とです。
遠視と老眼
遠視と老眼を混同している人が多いです。使う眼鏡が凸レンズのためかと思います。遠視は眼球の
長さが短い目ですので、遠くも近くもピントがあわず、どこを見るにも調節する必要が
あります。
老眼は年齢による変化で調節の力が衰えてくるため近くが見えにくくなる目です。
治療は 斜視や弱視の原因となるほどの強い遠視は早めに眼鏡を使います。
軽い遠視でも疲れやすいなどの症状があれば眼鏡を掛けます。そもそも遠くが見
えるというよな錯覚を起こす名前がいけないのです。遠視は遠くも近くも見えない、
疲れや斜視や弱視の原因となる異常です。
遠視と眼鏡、コンタクト 遠視のコンタクトはないと思っている人がかなりいます。
最近では遠視の使い捨てのコンタクトもあります。遠視の強い眼鏡では目が大きく見えます
(ケントデリカットのように) 美容的な意味でコンタクトを使用してもいいかと思います。
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