白内障の手術          

 手術の時期は
 

大体の基準は、車の運転をしているならば0.7、新聞をすらすら読みたいならば
0.5以上の視力が必要です。しかし、白内障があると視力が1.0あっても太陽光の
もとではほとんど見えなくなったり、夜間は対向車の光がまぶしくてみえないことがあり
ます。そういった場合は1.0あっても手術をします。
患者さんで「見えなくなってから手術するように言われました」という人がいますが、昔
手術の成功率が低かったころはそのように説明していたようです。
現在では、手術は安全なものとなってきましたので、不自由を感じたら手術します。


手遅れはあるのでしょうか
白内障が進行して緑内障になることがありますが非常にまれです。それよりも白内障
が進みすぎると手術が面倒になり、視力の回復に時間がかかることがあります。手術
をする立場からすると0.1以下になるようなら手術をしてもらえるとありがたいです。


   全身的な病気があれば手術できないでしょうか
主治医の先生と相談して決めますが、ほとんどの場合、本人が
希望するなら全身的な病気があっても手術できます。

       手術は痛くないですか
手術は痛いから手術をしたくないと言う人がいます。
確かに、昔はかなり痛い
麻酔をして手術をしました。最近
では痛み止めの目薬で手術しますので、ほとんど痛
みを感じないで手術できます。


どのように手術するのですか


1、 角膜と強膜の境目に3mm程度の 切開をします。
2、水晶体の袋の前の部分を丸く切り取ります。
3、 超音波を使って水晶体を破砕して吸引します
4、人工水晶体を折りたたんで入れます。 レンズを
  目の中で開き固定します。


手術の危険性は
成功率は、ほぼ100%です。合併症は後嚢
破損(水晶体の後ろの袋が破れる)、硝子体脱出(後嚢
破損が広がり目の中のど
ろっとした液体がでてくる)、水晶体核落下(水晶体の固い部分が眼内に落ちる)
術後感染症などがあります。どの合併症も1%以下です。
手術後しばらくして、後発白内障といって人工水晶体の後ろが濁ってくることがありま
すが、レーザー光線による治療ですぐに見えるようになります。


 通院はどのくらい必要なのですか
手術の翌日、術後4日目、術後11日目、術後30目、術後60日、その後は3〜6ヶ月後
手術後の炎症が強いときは通院回数が増えることがあります。

  点眼はどのようにするのですか
手術前3日間、抗生物質の点眼をします。手術後は1ヶ月程度、抗生物質と炎症を押
さえる点眼を続けます。その後は症状によって点眼をしないこともあります。

  眼内レンズはどのくらいもつのですか
眼内レンズの寿命は数十年ですので、一度手術すれば一生大丈夫です。
万が一度数が変わったり、レンズに問題が起きてきても入れなおすこともできます。

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