就 学 前 検 診
この季節になると小学校へ入学する子供の健康診断がありますが、どのような
検査をして異常があったらどのようにしたらいいでしょうか。
@ どのような検査をするのでしょうか
視力検査、眼位(斜視の 検査)、目の病気を調べます。
A 小学校入学前というと5、6歳ですが視力測定はできるのでしょうか
中には、初めて視力を測定する子供もいます。おうちの方で、小さいので視
力測定ができないのではと心配しているかたがいますが、精神的な発育に問
題がなければ3歳から4歳で視力測定ができるようになりますので、就学時に
は十分検査ができます。そしてその検査結果も信頼性があります。では、ど
のくらいの視力が学校生活に必要かということですが、一般的な目安とし
て、0.7以上あれば教室の一番後ろの席から黒板の字が見えます。0.3
以下だと一番前の席からでも黒板が見えにくくなります。
B 検査の結果視力が悪いと言われたどうしたらいいでしょうか
視力が悪いと判定されたならば、必ず眼科を受診してください。なかには
眼科を受診しないで眼鏡店へ行く親がいますが、視力の悪い原因は近視だけ
でなく、眼底の病気や斜視や弱視のこともありますので、一度は眼科で検査
を受けてください。
C コンタクトレンズはどうなのでしょうか
目の状態によってはコンタクトでしか視力のでない場合も有ります。右と
左の度数の差が大きくメガネでは我慢できないときや円錐角膜という角膜の
形がゆがんでくる病気ではコンタクトでしか視力がでません。特殊な場合を
除いてコンタクトレンズは小学1年生では無理です。小学校高学年から本人
の希望があり取り扱いができるようなら使ってもいいと思います。
D 目の病気で視力が悪いこともあるかと思いますが
問題なのは病気があってめがねをかけても見えないときです。よく視力が
悪いと患者さんはめがねをかければいいですかとか、めがねの度を強くすれ
ばいいですかと聞きますが、メガネは眼底にピントを合わせるための手段で
すから病気が有ればメガネの度数を代えても良く見えません。視力が不良な
ときは盲学校への入学も検討する必要があります。
E 眼位検査とはどのような検査なのですか
目の位置をしらべる検査ですが、光をみさせて片目づつ隠して目の動きを
検査します。人間の目は二つあることにより遠近感を感じることができます
二つの目が同じ方向を向いていることが正常ですが、斜視といって右目と左
目が別の方向をみている状態があります。斜視にもいろいろな種類があり、
発症年齢が違います。就学時に見つかる斜視は間歇性外斜視が多いです。
疲れたりすると外にずれます。
F どのような病気が見つかるのでしょうか
1、眼瞼下垂 瞼を上げる筋肉の発達が悪く瞼が下がっている状態です。入学ま
でに手術をして治しておいたほうがいいと思います。
2、内反症 おもに下まぶたが内側に向いているためにマツゲが黒目に当たっ
ている状態です。症状が強く黒目に傷がつくようですと手術をしたほう
がいいと思います。
3、霰粒腫 マブタにある涙の成分を分泌する腺に炎症が起きてふさがって脂
肪がたまってくる状態です。しこりがあまり大きいときは切開したり摘
出したりします。
4、結膜炎 一番注意しなければならない結膜炎は、俗に「はやりめ」といっ
て流行性角結膜炎です。目をさわったら手を洗うなどの注意が必要です。
5、アレルギー性結膜炎 就学時検診の時は秋の花粉症の季節ですので多くのア
レルギー性結膜炎の子供がいます。
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