高齢者の目は単焦点 2024.6
テレビで白内障の手術の話題の時に、眼内レンズについての解説があります。単焦点
レンズは、保険がきくが、ピントが1ヶ所に合うので、遠くを見えるようにすると近く
が見えないという説明がほとんどです。これを聞くと、単焦点レンズは近くが見えな
くて不自由すると思うかもしれません。
元々、高齢者の水晶体は単焦点です = 高齢者の目は単焦点です
正常な高齢者の水晶体は単焦点です。若い人の水晶体は多焦点です。遠くを見るとき、遠く
からの光は眼底にピントが合います。(下左)若い人が近くを見るときには、水晶体(青い
部分)が膨らんで、ピントが眼底に合います。(下中央)
高齢者は、水晶体が堅くなり膨らむことができないので近くの物を見るときはピントが合いません。
(下右) 65才以上になると水晶体が膨らむことができなくなり、単焦点の目になります。
高齢者が白内障になるということ
単焦点の水晶体が白く濁ります。見える範囲は同じですが、ぼけてすっきり見えなくなります。
高齢者が手術で単焦点の眼内レンズを入れると言うこと
きれいな単焦点のレンズの入った目になります。65才の白内障になっていない状態になると考えて下
さい。手術前にコンタクトレンズを使っていた、どうしてもメガネは嫌いだという人以外は、高齢者
は単焦点レンズで快適だと思います。
単焦点眼内レンズの見え方は
下図は、遠方がよく見えるように単焦点眼内レンズを入れたときに、近くはどの程度の視力か調べた
グラフです。遠くは1.0見えて、66cmの距離で0.6見えます。遠くから腕を伸ばした距離までは
メガネなしで見ることができます。遠くが0.7程度見えるようにすると近くは50cmまでメガネなしで
見ることができます。特に、高齢者は瞳の大きさが小さくなるので、ピントの合う範囲が広くなりメガ
ネなしで見える範囲が広がります。
メガネなしで見ることができます。単焦点でも不自由ないですが、希望される人は使ってみても
いいかと思います。選定医療のため費用がかかります。
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