仰臥位での点眼のすすめ 2023.5
目の病気の治療には正しく点眼することが必要です。見えなくなったり、高齢で後屈できなく
なると普通の点眼方法ではうまくできなくなります。お年寄りで上手に点眼できず、何滴も
点眼して薬をたくさん使う人がいます。上手に点眼するためにはどうしたらいいでしょうか
高齢者は点眼が苦手
高齢になると点眼が上手にできなくなります。目薬が足りないからたくさん処方するように頼まれる
ことあります。3ヶ月分を1ヶ月で使ってしまう人もいます。
逆に、1ヶ月分の目薬しか処方していないのに、3ヶ月後に来院して「毎日点眼していたが薬が残っ
ている」という人もいますが。
緑内障が進行して眼圧のコントロールのために大学に検査入院する患者さんがいます。手術が必要と
思われていたが、入院して点眼をしっかりすると眼圧が下がり手術の必要がないことがあります。
外来では十分な点眼ができていなかったことがわかります。
点眼が上手にできない理由として
視力が悪くなり点眼瓶の先端が確認しにくくなる 手指の運動機能が低下して正確にできなくなる
高齢になり、頭部の後屈姿勢が困難となる
下左図は、年齢による点眼の成功者を調べたグラフです。
高齢になるにつれて点眼が上手にできる割合が減ってくるのがわかります
点眼の苦手な人は仰向けで点眼しましょう
仰向けになって点眼すると上手にできるようです。
下の表は、左が座位での点眼の成功率、右が仰臥位での点眼の成功率です。座位では、年齢ととも
に成功率が下がってきます。仰臥位では高齢になっても成功率は下がってきません。
◎ 点眼が上手にできず、たくさん使ってしまう人は、仰向けになって点眼してみてください。