動 体 視 力
2021.8
オリンピックが始まりました。よくスポーツには動体視力が重要と言われます。しかし、すべてのスポ
ーツで動体視力が必要なわけではありません。例えば、マラソンや水泳といった競技では動体視力は重
要視されません。その一方で、野球やサッカー、テニスなどに代表される球技やボクシングといった格
闘技など、動体視力の良し悪しが勝負を決定づけるスポーツも多々あります。
動体視力には2種類あります
KVA(kinetic visual acuity)
図のように、真っすぐ自分に向かってくるものを見るときの動体視力です。
DVA(dynamic visual acuity)
図のように、目の前を横に動くものを見るときの動体視力です。
KVA DVA
KVA
下左写真はKVA測定器です。覗くと50m遠方からCのマーク(ランドルト環)が近づ
いてきます。どの地点で見えたかを測定します。車の運転のときに重要です。
免許の更新の時の動体視力はこちらです。当院にも器械がありますので、希望が
あれば測定します。
KVAの特長 視力と相関があって、視力がいいとKVAもいいです。
接近する目標の速度が早くなると低下します。
視力1.0の人が、時速30Kmで近づく物をみる → KVAは0.6~0.7
時速100Kmで近づく物をみる → KVAは0.4~0.5
DVA
かけてはっきり見る能力です。目標の動きを判断して眼球運動する能力とも言えます。
この能力は、5歳ころから発達し始めて20歳くらいでピークになり、年齢とともに衰
通事故が多いといわれます。訓練によってよくなり、一般の人よりスポーツ選手が優
れ、ボール系の選手がより優れています。右の数字を追ってみると能力が良くなるそ
うです。
KVAとDVAは全く違った動体視力です。KVAは主に交通工学の分野で使われます。KVA を
良くするには視力を良くすることです。
スポーツの分野で動体視力とはDVA
のことです。
長嶋茂雄がボールが止まって見えたのはDVAが優れていたからです。
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