黄斑円孔(おうはんえんこう) 2021.3
眼底の物を見る中心部を黄斑といいます。外傷や加齢により黄斑の網膜が丸く欠損する病気を黄斑円孔
といいます。加齢によるものが多く、ほとんど片眼におこります。
黄斑円孔のおきる仕組みです。1番目の図は正常な目です。2番目の図は、年齢による変化で硝子体が
移動した状態です。硝子体が移動するときに、硝子体と黄斑の癒着が強く黄斑を牽引することがありま
す。(3番目の図) 牽引が強くなり黄斑に孔が開くことがあります。(4番目の図)
先日、硝子体剥離から黄斑円孔になってきた患者さんがいました。網膜の断面を検査するOCTとい
う器械で経過を見ることができました。
飛蚊症があり受診しました。視力は1.0 検査で硝子体剥離を認めました。左上図で左の上から中央の
細い斜めの線が硝子体の境目です。眼底に異常がないので経過を見ることにしました。
1か月後に受診しました。視力は0.6 網膜が硝子体に牽引され、網膜内に隙間(嚢胞)ができています。
(右上図)
上から3日後です。視力は0.4 網膜が上方に牽引されているのがわかります。(左下図)
上から2日後です。視力は0.2 網膜がさらに牽引されて孔ができました。 (右下図)
自然治癒することもありますが、この段階になると手術が必要です。
さらに進むと、蓋のようになっていた部分が離れて円い孔になります。眼底写真は別の患者さんです。
円く見える部分が黄斑円孔です。
治療は手術です。硝子体を切除して網膜の牽引を解除します。眼内にガスを入れて円孔を圧迫します。
孔は塞がることが多いですが、視力の回復は、個人差があります。
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