消毒と滅菌と抗菌と除菌 2020.7
新型コロナウイルスの対策で、消毒・除菌・抗菌・殺菌などの言葉が普通に使われるようになりま
した。商品にもいろいろな記載があります。それぞれの言葉の意味について考えてみます。
専門的な言葉の分類もありますが、売り場で見るような言葉について考えてみます。
大きく分けると殺菌と増殖抑制
1、殺菌= 菌を殺すことで、消毒と滅菌に分けられます。
消毒 感染症を防げる程度まで病原菌を殺すことです。
手術での手洗い、術野の消毒など
滅菌 病原性の有無にかかわらずすべての微生物を殺すことです。
手術のガウン・手袋・器具・ガーゼなど
2、増殖抑制 = 菌の増殖を抑える 抗菌・除菌などです。
抗菌 学術用語として使うときは、殺菌や増殖抑制をすべてひっくるめて菌を抑制す
ることです。
工業製品で使うときは、硬い表面の菌の増殖を防ぐこととして使われます。
抗菌加工などと記載があるのはこちらです。
除菌 洗剤やウエットティッシュなどの業界団体が作り自主基準で使われています
ウエットティッシュならば、除菌効果のないものを使ったときに比べて、対象
となる硬い表面(手指は含まない)から生きた菌をある程度減らすことができる。
期待しすぎてはいけないです。
除菌も抗菌も、あくまでも「増やさない」ようにしているだけであって、殺してはいないです。
抗菌加工されたエスカレーターの手すりにもウイルスはいるし、除菌ウエットティッシュで一生
懸命手を拭いたところでウイルスがいなくなるわけではありません。
※「アルコール洗浄タイプ」と記載されているが、その「アルコール」の文字の傍らには「※1」
と注記があり「清涼剤・溶剤として」と書いてある製品には十分なアルコールが含まれているか不
明です。
大切なのは上手な手洗いです。
流水のみだとウイルス量は100分の1、ハンドソープだと1万分の1に減らせます ハンドソープで
2回手洗いすると100万分の1になります。
ウイルスに対して間違いなく有効なのはアルコールです。
WHOの基準では60%~80%のアルコールならば殺菌効果があります。
手に入るならアルコールを使いましょう。
商品の説明を見てアルコールという表示だけでなく、アルコール濃度をチェックしましょう
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