ドライアイの新しい診断基準 2019.4
2016年からドライアイの診断基準が変わり、わかりやすくなりました。
より患者さんの感覚に近くなったと思います。
新しいドライアイの定義は
「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能
異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある。」
①涙液層の安定性が低下する疾患
左図が正常な状態。右図が黒目の涙が不安定な状態です。
②
眼の不快感や視機能障害を生じる → ドライアイの症状
③眼表面の障害を伴うことがある → 黒目に傷があってもなくてもいい
診断基準
1,2を有するものをドライアイとする
1, ドライアイの症状
2, 涙液層破壊時間(BUT)5秒以下
※角膜に傷がなくてもドライアイと診断していい
※涙の量を測定する検査(シルマーテスト)はしなくてもいい
涙液層破壊時間(BUT)
フルオレセインという染色液を少量点眼し涙を染色します。
瞬きをしないで目を開けたままにして、涙の層がどのくらいの時間で乱れるかを
診て涙の安定性を調べます。(眼の表面の乾きやすさを検査しています)
左写真の状態が5秒以上続くと正常です。5秒以内で右写真のようになると異常です。
下の図が涙の状態を断面で示しています。図の凹んでいる所が写真の黒い部分です。
最近では、BUTの結果をタイプ分けして治療を工夫するようになっています。