色盲・色弱という言葉 2019.2
学校の色覚検査で再検査のために受診しました。先天色覚異常(中等度以下)と
報告書に記入してありました。色弱ではないでしょうか。
以前は色盲・色弱という言葉を使っていました。患者団体から色盲という表現を使
わないようにという要望があり、2005年に日本眼科医会で色覚の用語を改訂しました。
盲という言葉が差別的なニュアンスがあること、たいていの色が区別できて日常生活
に不便がないのに、色盲という言葉がすべての色が判断できないと思われるかもしれ
ないことなどの理由でした。
分類は次のようになりました。(主なものを表にしました)
〇型〇色覚の意味は
網膜にL錐体(旧:赤錐体)M錐体(旧:緑錐体)、S錐体(旧:青錐体)の3種
類の錐体が存在します。錐体に含まれる視物質の働きによって色を感じます。
〇色覚とは働いている錐体の数です。(1色覚では、杆体・錐体うち1つ)
〇型とは、どの錐体の働きが悪いか表しています。
例 1型3色覚 = 3つの錐体が働いているが、赤を感じる錐体の働きが悪い
2型2色覚 = 2つの錐体が働いていて、緑を感じる錐体が働いていない
1型と2型がほとんどです。
報告書の記載は
1型でも2型でも学校での注意すべき点は同じです。よって報告は先天色覚異常
としています。大切なことは、①色覚異常があるかないか ②あるならば強度か
中等度以下かです。強度ならば学校生活で十分な配慮と対処が必要です。中等度
以下の軽い異常であっても進路先に応じて対応を考慮することが必要になります。
1型か2型かの大体の判定はできますが、正確な判定には特殊な器械が必要です。
就職などで判定が必要ならば、専門病院で検査を受けていただきます。
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