近視 と 強度近視 と 病的近視 2018.11
病的近視は重要な失明原因です。視覚障害1級の6.5
%が病的近視が原因だという報告があります。
病的近視とはどのような状態なのか、普通の近視との違いはなにか説明します。
眼軸が伸びる
➡ 近視 ➡ もっと伸びる ➡ 強度近視
左上図が正常の眼です。眼軸(前後の長さ)は 24 mmです。
近視 目が前後に伸びておきる近視を軸性近視といいます。ほとんどの近視は軸性近視です。
強度近視 眼軸が26 mm以上になると強度近視といいます。 眼鏡の度数でいうと-6 D以上
です。
病的近視が心配な強度近視 眼軸が27 mm以上になると病的近視の頻度が増えてきます。
(中央図)眼鏡の度数でいうと―8 D以上が病的近視が心配な強度近視になります。―8 D
とは目を細めないで遠くから指を近づけてきたときに、眼前12cm位にならないと見えな
い状態です。この段階では、眼鏡やコンタクトで遠くが見えます。
強度近視が長期に続く ➡ 眼底に負荷がかかる ➡ 眼球後部の一部が進展する(右図赤丸)
➡ 眼底・視神経に異常がおきる ➡ 病的近視
病的近視になると眼鏡、コンタクトでも見えにくくなります。強度近視がすべて病的近視に進行
するわけではありません。福岡県久山町での調査では40歳以上の人のうちー6
D以上の強度近視が
8 %、病的近視は
1.7 %でした。
病的近視の症状
近視の強い人が次のような症状がでてきたら病的近視が疑われます。
「最近急に視力が落ちた」「以前より暗く見える」「格子模様や直線が曲がって見える」
病的近視の変化と治療
網膜が裂ける(近視性牽引黄斑症)→ 手術 (左写真)
黄斑部に新生血管が入り込んでくる → 血管を作る物質の働きを抑える薬を眼球に注射(右写真)
緑内障になりやすい → 早期に発見して治療を開始する
近視の強い人は
眼鏡を作り直す時は、必ず眼科で検査を受けてください。普通の近視と病的近視を結び付けて、だ
から近視が進まないように注意すべきだという人もいますが、病的近視は遺伝的な要素がほとんどです。
※ 強度近視の分類は、国によって違っていたり、まだ研究は始まったばかりです。
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