白内障の手術は痛くない 2017.5
白内障の手術が痛くないか心配する人がいます。「麻酔の目薬だけで手術します」と説
明すると大丈夫か不安に思う人がいます。「痛みを感じるようなら注射する」と説明す
ると、注射は痛くないか心配する人がいます。どのようにして痛みのない手術をするの
でしょうか。
白内障の手術時に発生する痛みの種類
表面痛覚 受容体が皮膚の表面や粘膜に分布していて、すぐに感じて痛みの場所がは
っきりしています。目では角膜、結膜が表面痛覚です。白内障の手術では
結膜、角膜を切開するのでこの部分を麻酔すれば痛みを感じません。
点眼の麻酔だけで表面痛覚がなくなります。
深部痛覚 痛みの受容体が平滑筋や脈管などの臓器に分布する痛覚です。手術では
毛様痛です。
毛様痛とは
虹彩が切開されても毛様体が切開されても痛みを 感じないですが、図の
赤の方向に力が加わり、緑の部分に刺激が加わると痛みを感じます。
どのような時に起きるか
(ちょっと専門的ですが羅列します。高潅流液 不安定な前房深度 虹彩根部
の創口への嵌頓 創口からの器具の出し入れ 眼内レンズの毛様溝での回転
縮瞳剤の注入)
これらは手術操作を優しくしてあげることで防ぐことができます。
それでも痛みを感じやすい時は、毛様痛をとる麻酔をします。注射は少し重
い感じがすることもありますが痛くありません。(右図)
痛みのない手術をするには
点眼麻酔の効果は15分ですので、追加して点眼します。
それでも心配な人や痛みを感じる人にはテノン嚢下麻酔を追加します。
緊張や不安の強い人は、触覚を痛みと感じ、触っただけで痛いという人がいます。
このような人は落ち着くまで待って、点眼麻酔・テノン嚢下麻酔をして手術します。
点眼麻酔 毛様痛 テノン嚢下麻酔
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