緑内障は手術で治りますか 2017.4
緑内障の患者さんに良く質問されることは、「緑内障は手術で治りますか」「目薬は面
倒なので手術で治して欲しいです」ということです。また、先月号の週刊誌で、「緑内
障は積極的に手術して眼圧をコントロールすることが必要だ、手術の下手な医者は手術
を勧めない」というような記事が載っていて迷っている患者さんもいます。
緑内障は一生涯治療が必要です
①治療によって緑内障の進行を止めることはできませんが、進行を遅らせて生涯不自由なく
暮らせるようにすることが目標です。
②治療は眼圧を下げることです。
緑内障が進行すると視神経が減ってきます。視神経が50%になって初めて症状がでます。
治療開始が早ければ長期間視力が保てます。
治療開始時に進行していれば、失明の可能性があります。早期に発見し治療を開始する
ことが大切です。
眼圧を下げる方法は
点眼 最近ではいろいろな点眼薬ができて、昔なら手術が必要だった例でも手術をしな
くてよくなってきました。
レーザー治療 効果には個人差がありますが、安全ですので、点眼で十分眼圧が下がら
ないときに行います。
手術 点眼やレーザー治療で十分に眼圧が下がらないときに手術をします。
手術は比較的安全ですが、感染の心配、眼圧が下がりすぎるなどの心配があります。
手術したら終わりではなく、術後に糸を切ったり、水の流れを調節したりのきめ
細かい治療が必要です。
手術効果は数年のことが多く、点眼の再開、再手術が必要になることがあります。
緑内障の手術は盲腸の手術のように手術したら治ってしまうということはないです。
手術にはメリットとデメリットがあります。説明をしっかり聞いていただき判断し
てください。
治療の手順は
初診時の緑内障の進行程度によって違いますが、基本は、以下の繰り返しです。
点眼薬 → 点眼薬の追加 → 点眼薬 + レーザー治療 → 手術 →
点眼薬 → 点眼薬の追加 → レーザー治療・手術 ………
治療を追加するか判断は
眼圧・視野・眼底の変化です。一生涯診察していく必要があります。
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