マブタの麻酔は痛いか 2017.12
ものもらい、眼瞼下垂、逆さマツゲなどの手術の時に、マブタに麻酔をします。見ていると痛そうですが、
はたして麻酔の注射は痛いでしょうか。ネットなどの経験談だと「すごく痛かった」という意見も載って
います。当院で手術した患者さんはそんなに痛がりません。患者さんには「歯科の注射と同じくらいの痛
みです」と説明していました。
先日、私は、霰粒腫の手術をうけました。わかったことは、たいして痛くないということでした。
麻酔は浸潤麻酔ですが、二通りあります
①皮膚側からの麻酔
切開する部位の皮膚に針をさして、皮膚の下に麻酔薬を入れます。図のように麻酔薬が作用して、痛みを感じ
る神経(図の灰色の線)に作用します。
②結膜側からの麻酔
瞼を裏返して、結膜に針を刺して、麻酔薬を注射します。単独ですることはなく、皮膚からの麻酔の後、追加
で行います。結膜と筋肉を分けることができます。瞼を器具(挟瞼器、右図)で挟んで手術するときには必要
です。
どの程度の痛みか
歯の治療のときに歯茎に麻酔します。痛みはそれと同じか、瞼の麻酔の方が痛くなかったです。皮膚からの
麻酔では一回目が少し痛いですが、二回目は麻酔が効いた部分に針を刺すのでほとんど痛くありません。
結膜からの注射は、皮膚からの麻酔が効いてからするのであまり痛くないです。
ただ、挟瞼器を使うときはジワーっとした圧迫感が30秒程続きました。
手術中の痛みは
麻酔が効いてしまうと、痛みを全く感じないで、何をされているかわからないほどです。
顔に布が被っているので眠くなりました。実際、患者さんで寝てしまう人もいます。
より痛くないための工夫
自分で経験してから次のように麻酔を工夫しました。
① 細い針を使う。今までは30G(太さ0.3mm)の針でしたが、34G(太さ0.25mm)に変更し
ました。
② 注射するとすぐに痛みを感じなくなりますが、念のために3分待つことにしました。
③ 挟瞼器は、挟むときに圧迫感を感じるので、できるだけ使わないで手術することにしました。
今までもそれほど痛くないですが、より痛みを感じないように工夫していきます。
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