乱視を矯正する眼内レンズ     2014.2

 

今までの眼内レンズは乱視を矯正することができませんでした。手術前にあった乱視は
そのまま残ります。乱視が残ると、はっきり見るためには乱視の眼鏡が必要になります。
最近、乱視を矯正できる眼内レンズが使われるようになりました。

乱視の見え方は

  


左は遠くも近くもはっきり見えている状態です。中央は近視の状態です。近くははっ
きりしていますが遠くがボケています。右は乱視の状態です。遠くも近くもボケます。


乱視を矯正するレンズは
 トーリック眼内レンズといいます。眼内レンズに乱視の度が加入されています。 
 このレンズを手術時に使うと乱視を軽減できます。 このレンズには、固定する方向が

 あり、計算式にしたがって目の中でレンズを回転させて固定します。
(角膜の乱視の程度や、手術部位を入力すると右図 のように使用するレンズと固定
 る方向がわかります。)

         



どのような人に使うか
 軽い乱視の人は、わずかなボケは脳で処理されてはっきりした像に修正することがで
 き
るのでトーリック眼内レンズを使うことはありません。ある程度の乱視の人で、手
 術後に眼鏡をかけたくない人には使います。

 手術前に、乱視の眼鏡を掛けていて快適だった人は、乱視が残ったほうがいいようです。

 適当な乱視があったほうが、遠くも近くもそこそこに見えて具合がいい人もいます。

実際は
 積極的に使っている施設では、弱い乱視でも使っているようです。
 私は、乱視の強さ、乱視の方向、年齢、術前に使っていた眼鏡、術後の希望をお聞き
 して
このレンズを使ったほうがいいか判断しています。

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