眼窩脂肪ヘルニア 2014.7
下を向くと黄色いものが出てくる。ゴロゴロして気持ち悪いと受診する人がい
ます。右写真のような状態です。眼窩脂肪ヘルニアといいます。
眼球は眼窩とわれる頭蓋骨の窪みに入っています。眼球の周りには脂肪や筋肉
があります。脂肪は眼球を衝撃から守るクッションの役割をしています
ヘルニアとは組織が本来あるべき場所からずれてしまうことです。背骨の椎間板
がずれる椎間板ヘルニアや腸がでてくるソケイヘルニアなどが有名です。眼窩
脂肪ヘルニアは、眼球の周りの脂肪が前方に移動してくる状態です。
原因は
眼球の後ろには脂肪があります。筋肉や靭帯が脂肪が前に移動しないように
働いています。筋肉や靭帯が年齢による変化で弱くなります。弱くなった隙
間から脂肪が前の方に移動してきます。(右図 青線)
症状は
ゴロゴロや異物感、あまり大きいと視界を遮られる。見た目を気にする。
診断は
見たとおりですので容易です。
治療は
脂肪なので心配ないと思えるなら治療はしません。
気になるようなら手術します。
手術は
結膜に麻酔をします。(ほとんど痛みを感じません)
結膜を切開します。(写真左)脂肪が脱出してきます。脂肪を引き
出して切除します。(写真中央)
結膜を縫合します。脂肪が前の方に移動してこないように結膜を眼球に
固定します。右写真は、手術後2週間です。
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