角膜潰瘍の治療 2012.5
角膜の深い傷を角膜潰瘍といいます。細菌・ヘルペスウィルス・真菌・アカントアメ
ーバーなど眼に見えない微生物が角膜に付いて障害をおこします。
どこの障害か
左の図が正常の角膜です。中央の図が「角膜びらん」といって浅い傷です。右の図が
「角膜潰瘍」で、傷が深くなった状態です。傷が角膜実質に達しています。
実際の例で説明します
1番目の写真は初診時です。細菌かヘルペスウィルスが原因と考え検査しました。
細菌による角膜潰瘍だと急激に進行するので、抗生物質の点眼を処方しました。
2番目の写真は3日後です。潰瘍は大きくなっています。前回の検査の結果がわかり、
細菌は見つかりませんでした。ヘルペスウィルスに対する点眼に変更しました。
3番目の写真がその1週間後、4番目が2週間後です。傷も小さくなって充血もなくなっ
ているのがわかります。
治療の考え方
特徴的な角膜潰瘍は原因を推定することができますが、原因がわからないことも多いです。
植物で傷つけた時は真菌、コンタクトレンズを使用しているとアカントアメーバーを疑う
必要があります。原因によって使う薬も違いますし、使ってはいけない薬もあります。
まず、急激に進行する病気を疑って薬を出します。検査結果や症状を見ながら薬を変更し
ていきます。
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