花粉症の治療 2012.4
花粉症の季節になりました、花粉症の治療にはいろいろな薬が使われます。
どのような目的で薬を使うか説明します。
花粉症とアレルギー性結膜炎
花粉が原因で目にアレルギー性結膜炎、鼻にアレルギー性鼻炎がおきるのを花粉症といい
ます。アレルギーの原因は、花粉だけでなく、ダニやハウスダストなどあります。
原因によって目の症状が違うということはありません。診察の時に「アレルギー性結膜炎
です」と言うと、「花粉症ではないのですか」と聞かれることがありますが、同じ状態だ
と思ってください。
花粉症のおきる仕組み
花粉が白目に付きます(左図)。白目に抗体という物質が作られます(中央図)。
抗体は肥満細胞という細胞の表面に付きます(右図)。
しばらくして花粉が飛んできて白目に付きます(左図)。花粉が肥満細胞の上の抗
体に付きます(中央図)。肥満細胞が破壊されてヒスタミンなどの物質がでます(図右)。
ヒスタミンが白目に炎症を起こします。
治療薬
3種類の薬があり、アレルギー反応が起きるのを防ぎます。
@ 肥満細胞からヒスタミンなどが出るのを防ぎます。効き目が出るのに2週間ほど
必要ですので季節の前から点眼します。(インタール点眼、リザベン点眼、アレギサール点眼)
A 出てきたヒスタミンが白目の細胞に悪さをするのを邪魔します。(リボスチン点眼)
@A両方の働きを持つ点眼もあります(パタノール点眼)
B ヒスタミンによっておこされた炎症を抑えます。(フルメトロン、リンデロン点眼)
治療薬の使い方
アレルギーの始まる前から点眼して期間中は毎日点眼するのが望ましいのですが、
ほとんどの人は症状が出ないと受診しませんし、症状が軽くなれば点眼を中止します。
アレルギーの期間が2〜3週間程度の人は具合の悪い日だけBの点眼をする。
アレルギーの期間が長い人では、@とBまたはAとBの組み合わせで使うのがいいと
思います。
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