緑内障が進行しない眼圧は
緑内障で治療をうけています。毎回、眼圧を測定していますが、緑内障が進行しないため
にはどのくらいの眼圧ならいいのでしょうか。他院で点眼を使って眼圧は正常範囲と聞い
ていたのですが、視野を測定したら悪くなっていて、もっと眼圧を下げる必要があるといわ
れました。眼圧が正常範囲なら進行しないのではないですか。
緑内障とは
昔は、眼圧が高くそのために視神経が障害される病気と言われていました。 ところが、眼圧が
正常範囲なのに緑内障の症状がおきる正常眼圧緑内障という病気が多いことがわかり、今では
緑内障は次のように考えられています。
「緑内障は、視神経と視野に特徴的な変化がおき、眼圧を十分下げると視神経障害を止めた
りすることができる病気」
つまり、眼圧が正常範囲でも、緑内障になった人の目にとっては高いので視神経に障害がお
きます。眼圧を下げることが治療に有効ということです。
わかりにくいかもしれませんが
そもそも眼圧の正常値とは何でしょうか
正常と思われる多くの人の眼圧を測定します。そ
して95%の人が含まれる値を正常値としたもので
す。10〜21mmHgが眼圧の正常値と決められまし
た。当然、正常値でも緑内障の人もいれば、21
mmHg以上でも正常の人がいます。→ つまり眼
圧が10〜21mmHgならば緑内障でない確率が
高いが、異常なしとはいえないということです。
では、緑内障はどうやって診断するのですか
眼圧は一つの参考値ですが、眼底の検査と視野の検査が診断には大切です。
眼圧の測定は無意味なのですか
いえ、眼圧を下げることにより進行を抑えることができるので、眼圧測定は治療の経過
を見るのに非常に大切な検査です。
緑内障の治療は
いろいろなことがいわれていますが、唯一確実なのは、その人が緑内障といわれた時の
眼圧よりも下げることです。
眼圧が正常な緑内障での眼圧目標値は
左の図の黒線は、眼圧を下げなかったとき
視野障害が進行しなかった人の割合です。
5年後に40%の人が視野が悪化していま
せん。(60%は悪化しました)
青の線は、眼圧を30%下げるのを目標に治
療した人です。5年後に80%の人が視野が
悪化していません (20%は悪化しました)
その後は悪化がみられていません。
以上より、治療開始時よりも30%眼圧を
下げることを目標にします。
たとえば 治療前 目標値
20mmHg
→14mmHg
18mmHg
→12〜13mmHg
16mmHg →11〜12mmHg
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