放射線の知識
福島原発の事故がまだ終息しないで、連日放射線に対して心配だというニュースが
流れています。上田市にも80名の方が、福島から避難してきています。
皆さんに本当のこと(私が勉強した範囲で)を知ってほしいと思います。
覚えておきたい数字と単位
放射線量についての報道があります。次の単位を知っておいてください。
@ m(ミリ)= 千分の一 μ(マイクロ)百万分の一 マイクロの千倍がミリです
A Sv (シーベルト) 放射線をあびたときに人間がうける影響の強さを表す単位
平常時に一般の人が1年間に受ける放射線量の限度 → 1年に 1ミリSv
国際放射線防御委員会が決めた緊急時の被爆量の限度 → 1年に 20ミリSv
成人に影響が出始める(発がんのリスクがわずかに上昇)→1年に 100ミリSv
B Sv(シーベルト)とSv毎時(シーベルトまいじ)を混同しないでください
Sv毎時は、1時間あたりの放射線の強さを表します。
Svは、ある期間で積算した放射線の人体への影響を表します。
自動車に例えると、Sv毎時はKm毎時(車の速度)、SvはKm(到達した距離)に相
当します。この数字を混同した報道が多く見られるので注意が必要です。
例えば今日の福島では1.3マイクロSv毎時 1年間この量を浴びると11.7ミリSvになります
東京では0.05マイクロSv毎時 1年間では0.4ミリSvです。
福島県外の人が大騒ぎする必要はないようです。
放射線の障害に二通りあります。
必ずおきる障害 ある放射線量を浴びると皮膚に障害がおきるとか、白血球が減ると
かいうものです。福島原発で働いている人が放射線に被曝した時に
心配されることです
起きるかもしれない障害 = 遺伝子の障害
私たちが心配しなければいけないのはこちらの障害です。遺伝子が
障害されると癌が発生すること、奇形が生まれることなどが考えら
れます。
広島、長崎の原爆のあとでも奇形が増えたという報告はありませんの
で癌の発生が問題となると思います。
癌になるかもしれない確率
皆さんは、放射線にたいして漠然とした恐怖心を持っていると思います。
その恐怖心は、放射線のために将来、癌になるかもしれないという不安です。
1,長崎と広島の原爆の研究からわかっていることは、年間100ミリSv以下では、
癌の発生率が上昇するという証拠はありませんでした。
より安全を考えると20ミリSv以下なら問題ありません。
ただし、胎児では10ミリSvでも危険という意見もあります。
2,年間100ミリSvの放射線をうけると癌による死亡率が、0.5%上がります。
100ミリSv以上では癌による死亡率が直線的に増加します。
3,,日本人は33.3%が癌で死亡しています。100ミリSvの放射線の影響で33.8%と
なります。
4,喫煙による癌の死亡率の増加は、放射線を2000ミリSv浴びた時の癌による死亡
率の増加と同じです。
なんだ、100ミリSvで0.5 %しか増えないのかと思うか、自分の責任でもないのに
0.5 %も増えて大変だと思うかは皆さんの判断だと思います。私は、0.5%のため
に、病人やお年寄りに避難所の生活をさせるのは、生命にとって何倍も危険だと
思っています。
この値以上は危険といえますが、これなら絶対安全という値はわかりません。それ
は世の中のすべてのことに当てはまることかと思います。どこかで妥協が必要かも
しれません。
現在の放射線
現在各地で測定されている放射線は、今、福島原発から飛んできている放射性物質に
よるものではありません。3月の水素爆発の時に飛び散った放射性物質が地上に蓄積
してそれから出ている放射線です。現在、福島原発からはほとんど放射性物質は放出
されていません。これ以上原発で問題を起こさなければ、放射線量は次第に減ってい
きます。
原発から毎日放射性物質が飛んできて、それを測定していると思っている人が多
いのには驚かされます。正しい知識をもって心配しましょう。
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