細菌性結膜炎
結膜炎は誰でも名前を知っています。皆さんが結膜炎と言っているのは細菌が原因の結膜
炎のことかと思います。結膜炎について次のように思い込んでいる人が多いです。
結膜炎 → 人にうつる → タオルを別にする、お風呂に入らない
結膜炎 → 不潔な手で触ったことが原因
結膜炎 = トラコーマ(これは高齢の方におおいですが)
昔にくらべて生活環境が変わり、結膜炎の原因も変わってきました。現代の細菌性結膜
炎について説明します。
細菌性結膜炎とは
結膜(白目)の表面や結膜の内部で細菌が増えて、結膜の充血・眼脂(目やに)
結膜の浮腫(腫れ)が見られる状態です。
診断は
アレルギーが原因でも、ウイルスが原因でも同じような症状があるので、外見だけで
診断することは難しいです。正確には、眼脂の培養をしないとわかりません。
年令による細菌性結膜炎の原因
目には細菌から結膜を防御する働きがあります。新生児や幼児は防御の働きが未熟のため、高齢
者では防御の働きが衰えてくるために結膜炎になりやすくなります。
新生児 結膜の感染を防御する物質がほとんどありません。
この物質は5歳になると正常な量になります。
涙がほとんど出ていないので、涙で目をきれいにすることができません。
涙が鼻に落ちていく道も開いていないで、汚いものが目に溜まります。
幼児 感染を防御する働きがまだ十分ではないです。
親との接触が多いので、親の鼻や呼吸器に常在している細菌が原因になります。
カゼをひいたときに、病気の合併として結膜炎になることが多いです。
成人 細菌を防御する働きがつよく、ほとんど結膜炎になりません。
特殊な細菌よる結膜炎にかかることがあります。
高齢者 防御する働きが弱くなり結膜炎になりやすいです。
下の写真は、いろいろな菌による結膜炎です。
治療は
眼脂の検査が出るまでには数日かかりますので、症状・年齢などから疑わしい細菌を考
えて効果のある抗生物質の点眼を使います。ほとんどは、点眼だけで治ります。
抗生物質が効かない細菌もありますので、効果がないときは点眼の種類を変えます。
飲み薬を使うこともあります。
人にうつりますか
細菌はどこにでもいます。ほとんどの場合、人からうつって結膜炎になるのではなく
自分自身の防御力が弱くなって結膜炎になります。結膜炎になってもお風呂に入って
いいです。
※ウイルスによる結膜炎(はやりめ)は人からうつりますので区別が必要です。
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