老眼とコンタクトレンズ
若い頃からコンタクトレンズを使っていた人が老眼になってくると近くを見るときに不
自由を感じるようになってきます。どのようにしたら快適に過ごせるでしょうか。
老眼
コンタクトレンズを使っていると正常の人と同じ見え方です。つまり、ある程度の年齢に
なると老眼が始まって近くが見えにくくなります。また、遠くが見えるように合わせた眼
鏡とコンタクトレンズでは、目とレンズの位置の関係でコンタクトレンズの方が近くが見
えにくいです。
解決法はいろいろあります。実際、やっている方法を列挙します。
@ 眼鏡にする
軽い近視の人は、裸眼で近くが見えます。普段はメガネをかけて、近くを見るときは
メガネを外すといいです。コンタクトを出し入れするのは面倒ですがメガネは簡単で
す。この際だからコンタクトをやめようという人もいます。それもひとつの考えです。
A 両眼のコンタクトの度数を下げる
コンタクトの度数を少し弱くして、遠くの視力が0.8位になるようにします。そうす
ると近くも見やすくなります。老眼の初期ではこの方法が具合の良い人がいます。
ただこの方法は、車を長時間運転する人には適しません。
B 片眼のコンタクトの度数を下げる
片方の目を遠方が見えるように、反対の目を近方が見えるようにコンタクトを合わ
せます。右目と左目を使い分けて遠近両用となります。この方法で、快適な人も多い
です。ただ、この方法ではどちらの目を近くを見えるようにした方がいいか工夫が必
要です。利き目を遠くに合わせるという意見がありますが、それぞれ生活が違います
ので一律に決めるのは間違いです。両方の目を試してみて具合のいい方の目を決める
ことが必要です。
私の経験からいうと、利き目で近くを見えるようにした方が具合いいようです。
C 遠近両用コンタクト
以前から遠近両用のハードレンズやソフトレンズがありますが、具合の良いレンズは
ありませんでした。最近、毎日の使い捨てや2週間で交換するソフトレンズが出てきま
した。今までのレンズよりも評判がいいです。
遠近用のレンズはどのように設計されているでしょうか。
@ 遠方重視のレンズ
下左図のように、中心部で遠くが見えて、中心から少し離れた部分で少し度が弱
くなっています。初めから違和感がなく使えて老眼の始まりの人には便利です。
A 遠近両用のレンズ
下中央図のレンズのように、中心部(オレンジ色)で近くが、周辺部(青色)で
遠くが見えるように度が入っています。
なぜ中心部で近くが見えるようにしてあるかというと、人の目は近くを見るとき
に瞳が小さくなります。周辺部が近くを見えるようになっていると瞳が小さいと
その部分を使うことができないからです。
どのように見えているのでしょう
遠近両用のメガネは目を動かして、遠用、近用の部分で見ます。コンタクトレンズ
ではレンズは目と一緒に動きますので眼鏡とは違います。眼底には遠くの物も近く
の物もはっきりと像を結んでいます。頭で判断して遠くの像をみたり近くの像を見
ています。たとえば、網戸越しに遠くの風景を見ると網戸が気にならないのと同じ
脳の働きです。上右の上の図は遠くの風景を下の図は網戸を見ています。
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