強いメガネを掛けている人が多いです
受診される患者さんが掛けている眼鏡を検査すると強すぎる人が多いです。また、眼
鏡を処方すると適正な度数より強くすることを希望する人がいます。
自分で視力表を見ながらレンズを入れてみると強くしたほうが見えるような気がして
きます。適正な眼鏡とはどのような眼鏡か考えてみました。
強すぎるのになぜ見えるのでしょうか
があいません。目には調節力といって強いレンズをかけてもピント合わせする力がありま
す。右図は強いレンズを使っていますが、目が調節してピント合わせしている状態です。
このように、多少レンズの度数を強くしてもはっきり見ることができます。
なぜ強いレンズを選んでしまうのでしょうか
いろいろな原因が考えられますがそのうちのいくつかを説明します。
片目で見ると距離がわからないので近くを遠方と判断することがある
人は両目で見て遠近感を判断しています。片目では正確な距離を判断することができま
せん。片目をつむって遠くを見るようにしてください。思ったより近くにピント合わせ
していることに気づくかと思います。視力は片目ずつ測定しますのでやや強めになる可
能性があります。
→ 眼鏡を合わせるときは、両目で見て左右差がなく良く見える度を選びましょう。
良く見えるレンズの値は変動している
目は見ているときに常にピントの合う位置を変えて微調整しています。物が目の前に急
に現れたときにすぐにピントが合うように準備しているためだと考えられています。
微調整の動きが少ないほうが良く見えるように感じます。
ある程度強いレンズを掛けたとき微調整が少なくなることがわかっています。
そのため視力検査でレンズを交換して強くしていくとよく見えるように感じます。
→ 眼鏡の処方では、試験のレンズを長時間かけて見ることが必要です。
コンピューターで調べた値を鵜呑みにする
視力を測定する前に目の度数を器械で調べます。測定中に調節が働くと近視では強め
に測定されます。検査員は数字で出てくるのでその値を信用してしまう傾向があります。
→ コンピュータが測定したから正しいと思いこまないことが必要です。
それでも難しい遠近両用眼鏡の処方
正しい検査をして遠近両用の眼鏡を作ったけれども具合が悪くて使えない人が多いです。
その原因の一つに、遠方をはっきり見えるようにしすぎることがあります。
遠近両用眼鏡の遠くの部分を合わせる時に、できるだけ遠方がはっきり見えるように合
わせると遠方で必要以上に強いレンズになってしまいます。そのために、近くを見るの
に強いレンズが必要になり、ますます使いにくくなります。
→ 遠くも近くもと欲張らないことが掛けやすい眼鏡をつくるコツです。
上は遠くを良く見えるようにしたメガネです。緑の線
がピントの合う範囲です。近くを見るためには近方に
強いレンズが必要になります。近方のレンズが強くな
るとメガネはかけづらくなります。下は遠くを不自由な
い程度に下げたメガネです。青の線がピントの合う
囲です。眼鏡の近方部分の度数をかなり下げることが
できます。 (遠近両用では近くの加入は強くて
も2.5D程度にするといいと思います。)
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