ルセンティスの注射
加齢黄斑変性といわれルセンティスという薬の注射を勧められました。どのような治
療でしょうか。
加齢黄斑変性とは
黄斑とは、眼底の物を見る中心部です。写真の丸の部分が黄斑その中心を中心窩といいま
す。加齢黄斑変性は、黄斑に異常が起きてくる病気です。病気には萎縮型と滲出型の2種類
あります。萎縮型は進行がゆっくりですが、治療法はありません。滲出型は急に悪くなる
ことがあります。右の眼底写真は滲出型の黄斑変性です。上図左のように網膜の下から異
常な血管(新生血管)が生えてきます。ルセンティスの治療の対象となるのは滲出型です。
センティスの注射
滲出型の黄斑変性に対して、いろいろな治療法が考えられてきました。ここ数年は、PD
T(光線力学的療法)といって新生血管に特殊な色素を入れてレーザー光線を照射し血管
をたたく方法が主に行われてきました。最近になり、眼内に注射することにより、新生血
管の成長を活性化する物質を抑えて、新生血管の増殖を抑える薬が出てきました。眼内に
この薬を注射すると、上図右のように新生血管が抑制されます。これらの薬のなかでルセ
ンティスが効果があるとわかってきました。
治療の方法
注射前の点眼 目を清潔にするために3日間抗生物質の点眼をします。
当日 手術室で、目の消毒をして、ルセンティスを眼内に注射します
治療は数秒で終わります。少し休んで帰れます。
治療後 翌日診察して、3日間抗生物質の点眼をします。
治療の予定
月一回、3カ月は必ず注射をしていただきます。その後は、検査結果をみて、悪化するよう
なら追加します。
副作用
注射するときに細菌が入ると強い炎症を起こすことが、非常にまれにあります。決められ
た定期検査を受けてください。また、視力が急に悪くなった時は、すぐに受診してくださ
い。
費用は
注射代は安いのですが、薬が高価です。1回の治療について1割負担で19,600円
3割負担で58,800円かかります。
PDTとルセンティスどちらの治療法がいいでしょう
PDTのほうが良く効く例、ルセンティスが効く例、両方を併用したほうがいい例があり
ます。PDTは初回は入院する必要がありますので、まずルセンティスの注射をするのが
いいと思います。
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