眼瞼下垂と頭痛・肩こり
NHKの「ためしてがってん」、民放の「ほんとは怖い家庭の医学」で、眼瞼下垂につい
て取り上げて、眼瞼下垂が原因で頭痛や肩こりが起きる。手術をすると治るというような
話がありました。何人かの患者さんに本当に良くなるか聞かれます。
結論から言うと、良くなる人もいれば良くならない人もいます。
眼瞼下垂の手術でなぜ楽になるか
テレビに出演していた大学の教授の説明をまとめると
瞼が下がっている →
物を見るときに顎を上げたり、額の筋肉を使って瞼を上げる
→ 頭や首や肩の筋肉を使う → 肩こりや頭痛が起きる
実際は
当院にもその病院で手術してきた患者さんが数名います。ほとんどの人は変わらなかったと
いっています。その病院にはテレビのおかげで全国から患者さんが集まって順番待ちをしてい
るようです。
有名な美容外科の教科書には次のように書いてあります。
「肩こり・頭痛といった不定愁訴の改善効果は高く手術後即座に現れる。しかし、2−3か月
で「戻った気がする」という人もいる」
確かに、当院でもすっきりして楽になったという人は何人かいます。頭痛や肩こりの原因はい
ろいろあるわけですから、いい人もいれば変わりない人もいるのが正解です。
当院での説明は
当院でも眼瞼下垂の手術をしてます。
患者さんには、「手術で瞼が上がり奇麗にできますが、頭痛や肩こりが良くなるとは約束でき
ません。もし、テレビで言っていたように頭痛や肩こりが必ず治ると期待して手術をうけるな
らお勧めしません。」とお話します。
困ったことに
オリンピックの水泳選手で、手術をするとタイムが良くなるといわれ手術した人がいました。
精神的に落ち込んでいるのも治るとか、まるですべての病気が眼瞼下垂の手術でよくなるよ
うな報道があるのは困ったことです。
眼瞼下垂の手術をして良くなるのは見た目だけと考えてもらうと一番いいです。
運がよければ頭痛・肩こりも治ります。
当院の手術
当院では最近、C02レーザーの器械を導入しました。レーザー光線で血を止めながら皮膚を
切開します。全く出血しないで(出ても1cc以下です)手術できます。出血しないため手術
は20分程できれいにできます。眼帯は次の日に取れて、1週間ほどで抜糸します。
下がレーザーによる眼瞼下垂の手術です。左が皮膚を切り取っているところです。右は
眼瞼挙筋の周りの組織を切っているところです。左からでている棒の先からレーザー光線
がでています。 ほとんど出血していないのがわかるかと思います。
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