3歳児の視力の悪い条件
3歳児検診で視力測定がおこなわれるようになってから、3歳すぎの子供が「視力が悪い」
と受診するようになりました。しかし3歳では検査しても正確に視力が測れないことが多
いです。病気があって視力が悪いのか、幼くて測定が上手にできないのか、判断が難しい
です。視力が悪いためには悪くなる条件が必要です。その条件について説明します。
3歳児検診
3歳児検診時に目の検査が行われるようになりました。上田市では医院で検査している視能
訓練士が検査にでかけます。3歳児検診が始ってから、検査ができない、斜視があるのでは
ないか、視力が悪いのではないかという子供が受診します。
視力測定の信頼性
大人と同じ視力表で検査ができる子どもの割合は3歳で3割、3歳半で6割、4歳になると
ほとんどの子供が検査できます。これはちゃんとした場所で何回か練習しての割合ですので、
初めての一回だけの検査では検査できる子供の割合はますます少なくなります。
本当は、眼科の検査だけ3歳半にしてもらえるといいのですが。
視力測定しないと視力がわからないのでは
最終的に視力表がどこまで見えるかで視力がわかります。幼児や小児の視力を測定する方法
もありますが、時間がかかる割に信頼性がありません。これらの視力検査は左右の違いをみ
るのにだけ使うべきだと思います。下右はウサギの目の位置を指させて視力測定するカード
です。
ではどうしたら小児の視力がわかるのですか
専門医は視力測定しなくても小児の視力を予想できます。たとえば、野菜は、いい苗と天
候と栄養があれば立派に育つことが予想されるのと同じです。
視力にも正常に発達する条件があります。
視力のいい条件
目に病気のないこと
視力に影響する病気は角膜の濁り・先天性白内障・視神経の異常・緑内障などです。先天性眼瞼下
垂が視力の発達に影響するので早期に手術するという意見もありますが、私はそのような例を経験
したことがありませんので早期の手術には反対です。
斜視がないこと
斜視があるとズレているほうの目の視力の発達が悪いことがあります。すべての斜視が視力の発達
に影響するわけではありませんので、その判断は斜視弱視の専門家がします。
視力が悪いとわかっても、斜視の手術をするのではなく、弱視の治療をして視力がよくなってから手
術をします。
屈折異常が軽いこと
遠視・乱視・近視が強いと視力の発達が悪いことがあります。屈折は器械で測定しますが、小児で
は目の緊張をとる目薬を使って測定しないと正しい値が得られません。
結局は視力が1.0以上でないと納得してくれません
そうはいっても親としては、目の前で視力を答えてくれるまで安心できません。
医院の雰囲気や検査に慣れてもらうために何回か通院していただくこともあります。
視力の発達に一番大事な時期は3,4歳までです。幼くて視力が測れないから、
大きくなってから調べようと思わないで、心配なら早めに受診してください。
戻る