どのような症状がおきますか
涙があふれる
涙は下マブタの上を耳側から鼻側に流れて鼻に落ちるようになっています。 結膜が
弛緩していると涙の流れが邪魔されて外にあふれます。また、涙は結膜と下マブタの間
に貯まるようになっているのですが、弛緩した結膜がその空間にあるために涙が貯まら
ず外にあふれます。
結膜下出血
余った結膜の中にある細い血管は折れ曲がっています。まばたきでこの血管がこすれる
と血管がきれて出血します。結膜の出血を繰り返すときは結膜弛緩症のことがあります。
上右の写真では、弛緩した結膜の部分に出血を認めます。
異物感
余った結膜がまばたきをするたびにこすられゴロゴロします。
ドライアイの症状を悪化させる
ドライアイの人は、もともと涙が少ないです。結膜弛緩が加わると、涙が貯まりにくく
ドライアイの点眼薬も角膜にとどまらないためドライアイの症状を悪化させます。
下左写真はドライアイと結膜弛緩のある例です。角膜に傷があるのがわかります。
治療の方法
弛緩して余った結膜を伸ばすか、切り取るしか治す方法はありません。私は下中央のよ
うに結膜を下にひっぱって糸で強膜(結膜の下にある眼球壁)に縫合する手術をしていま
す。下右の写真のよいうに全部で数か所(写真の青の部分)糸をかけます。手術は、15
分程度で、翌日から具合良くなります。強くこすると糸がとれるので、白目がしっかりつ
くまでは1週間は寝るときに眼帯をしてもらいます。
結膜弛緩症は、最近注目されてきた(以前は見過ごされてきた)病気です。涙があふれる、ゴ
ロゴロする、白目の出血をくりかえす、ドライアイが良くならない、いろいろな点眼薬を使っ
ても症状が改善しないようでしたら、結膜弛緩症を疑ってみることが必要です。長年続いていた
症状が手術で解決します。
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