流涙 涙が出てこまる
寒い季節になると涙が出て困るという人が増えます。涙が出て気になるときは、どのよ
うな状態でどのような治療があるでしょうか。
流涙とは
涙が出て困る。いつも目尻に涙がたまっている。涙があふれてくる。目がうるんでいる。
などの症状が流涙です。
涙の流れは
涙は、涙腺で作られ、瞼が閉じる動きで耳側から鼻側に押し流され、目の表面を潤し、涙点に吸
い込まれ鼻の中に流れていきます。目を開いているときは涙が蒸発します。涙のできる量、流れ
る量、蒸発する量のバランスが悪いと涙があふれます。(図左)
涙の流れ 鼻涙管閉塞 手術時の様子 チューブの状態
原因は
涙のできる量が増えるか、涙の流れが悪くなるのが原因です。
考えられる病気は
涙の量が増える時
ゴロゴロするとき 結膜炎・角膜炎・異物・ドライアイ
ドライアイは涙が少ない病気なのに涙が出るのは変だと思うかもしれませんが、
涙が少ないと角膜に傷ができてそのために涙が出てくることがあります。
まぶしい時 白内障・虹彩炎
涙の流れが悪い時
涙道の通過障害 先天性鼻涙管閉塞 鼻涙管狭窄(上左写真は涙嚢を圧迫して
膿と涙が逆流しているところです)
瞼の異常 顔面神経麻痺
治療は
涙の量が増えているときは、原因となる病気の治療をします。
涙の量が増えるが原因になる病気がない時は、涙を少なくする目薬を使います。この目薬は目
の表面を麻酔する働きがありますので、寒さなどの刺激で増える涙を1時間程度少なくするこ
とができます。冬、散歩に出ると涙が出る、自転車やバイクにのると涙がでるという人には
効果があります。
涙の流れが悪くなっているときは鼻涙管閉塞という病気が考えれられます。鼻涙管閉塞には先
天性と年をとってからなるものがあります。
先天性鼻涙管閉塞 生まれつき涙の流れ道が塞がっている状態です。自然とよくなる
ことがあるので3ヶ月は抗生物質の点眼を使って様子をみます。鼻への出口がふ
さがっていることが多いのでよくならない時は流れ道に針金を通します。
鼻涙管閉塞 涙の流れ道がふさがって涙が流れない状態です。原因は分からないこと
が多いです。涙が流れないと不潔になって涙嚢にバイ菌が繁殖してくると涙嚢炎を
おこします。治療は、シリコンのチューブを涙の流れ道に通します。手術は10分
ほどで眼帯はしません。(上右写真がチューブを入れているところです。上右図
のように鼻の中まで入れます) チューブは2カ月ほど留置して抜きます。チュ
ーブを抜いた後また流れ道がふさがってしまうこともあります。どうしても良く
ならないときは、鼻の骨を削って涙嚢と鼻を直接つなぐ方法もあります。
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