ドライアイの新しい治療法(キープティア)

ドライアイの治療では、涙を補う方法と、涙が流れないようにする方法があります。
涙が流れないようにする方法としては、涙点プラグという方法があります。
最近、涙が流れないように涙の流れ道に液体を注入する方法ができました。
その方法について説明します。

     涙はどのように流れるか
   上マブタの外側にある涙腺で涙は作られます。
   涙は、目の表面を流れていきます。10%は
   蒸発し
90%は目頭にある涙点という孔に吸
   い込まれます。
その後、涙嚢(るいのう)、
   鼻涙管を通って鼻に落ちます。 

   ドライアイとは
   涙の出る量が少なくなるか、涙が蒸発しやす
   くなったために
目が乾く状態です。涙の出る
   量が少なくなるタイプでは、涙の代わりをす
   る
目薬を使い、改善しないときは涙の流れ道
   を塞ぎます。


   涙の流れ道を塞ぐ方法は
   涙の流出口をふさぐことにより涙を目の表面に貯める治療です。涙の出る量
   を増やすこと
はできませんので少ない涙を有効に使うと考えてください。
     左図の赤いのが涙点プラグです。涙点を塞いで涙が流れないようにします。
     中央図の緑の部分がキープティアです。キープティアはどろっとした透明の
   液体で、温まる
と固くなる性質を持っています。






                   

  どのように治療するのですか
  痛みはありませんが念のため痛み止めの目薬を点眼します。細い針を使って涙
  点から冷や
したキープティアを注入します。温まると固まるので15分ほどベッ
  ドで横になってもら
います。その日は、目頭を強く押さないようにします。
   右写真がキープティアです。3か月で溶けてなくなりますので再注入が必要です。

   どのような人に有効でしょうか
  涙がほとんど出ていない人にお勧めできます。

   また涙点プラグで次のような問題のある人にも有効です。
     涙点プラグが外れやすい人。涙点プラグが当たってゴロゴロする人。

  欠点は 
  時間とともに溶けてしまうので、3か月に一回ほどの追加が必要なことです。

  時間がたつと溶けてしまうことは、涙を流れ出なくすることに不安がある人が
   ためしに使ってみれるので長所かもしれません。

  涙点プラグが向いている場合は
  涙点プラグなら、上下いづれかの涙点を塞いだり調節できるので、涙がある程
  度出て
いる人では涙点プラグがいいかと思います。涙点プラグは長期に使えます。
  ただし、途中で抜け落ちることもあります。


キープティアと涙点プラグはそれぞれ長所、短所がありますので、どちらを使うかは相談
して決めていきます。

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