斜視の手術
テリー伊藤が斜視の手術をしたのが話題になっています。なぜ今になって手術したのだ
ろう、どんな手術なのだろうか。斜視の手術について説明します。
いろいろなタイプの斜視がありますが今回は外斜視を例にお話します。
@ 外斜視とは
ヒトでは右目と左目は同じ方向を見ています。斜視になると右目と左目が別方向を
向きます。外にずれるのを外斜視、内にずれるのを内斜視といいます。その他に、
上下にずれたり、目の動きが悪いタイプの斜視もあります。右写真は外斜視です。
左目が外を向いているのがわかります。ほとんどの外斜視の原因はわかっていませ
ん、また手術以外では良くなることはありません。
A どちらの目の外斜視ですか
これもよく聞かれることです。特殊な斜視を除いて、どちらの目の斜視ということ
はありません。右目が正面を向けば左目が外を向き、左目が正面を向けば右目が外
を向きます。どちらの目がずれる頻度が多いかということはあります。
B 外斜視はどうなったら手術をするのですか
様子をみていても自然と良くなることはありません。目がずれているのが気になっ
たら手術を考えてください。手術の時期として考えられるのは
3歳過ぎで視力測定ができたら(親が気になって仕方ない時)
就学前(周りから言われて本人も気にしているようなら)
思春期(自分から気にし始める年頃)
就職の時(試験官に不快感を与えるのではと心配になる)
好きな人が出来た時(または出来ない時に斜視が原因だと思う)
子供に指摘される(父兄参観などの時に子供が恥ずかしいと言う)
子供の結婚式(相手の親族に対してみっともないかと気になる)
C 手術の方法は
眼筋(目を動かす筋肉)を移動したり、切り取ることで目の向きを変えます。
下は右目の手術です。後転術、短縮術を単独あるいは同時に行います。
手術は、30分程度です。大人は局所麻酔で手術します。
後転術 図@ 目を外に引っ張る筋肉を付着部(赤線の部位)より切り離します。
図A 筋肉を後ろに下げて眼球に逢着します。
短縮術 図B 目を内側に引っ張る筋肉を切り取ります。(赤で囲んだ部分)
図C 筋肉を付着部に縫合します。結果として筋肉の長さが短くなります。
図@ 図A 図B 図C
D 手術で完全に良くなりますか
ほとんどは一回の手術で満足できる結果になります。5年、10年の経過を見ると
少しずつズレてくることがあります。また気になるようなら手術すればいいと考えてください
戻る