レーシック
最近、近視の手術について聞かれることがあります。東京で手術してきてその後診て欲
しいと受診する人もいます。先日は、香港旅行の途中にレーシックを受けたと受診した
人がいました。レーシックについて説明します。
レーシックとは
LASIK(lasser in situ keratomieleusis)略です。日本語ではレーザー角膜内切削形成術
といいます。レーザー光線を使って角膜を削って近視を矯正する手術です。レーザーで角
膜を削って近視を矯正する手術は10年ほど前から始まり、いろいろ手術法の改良を経て、
一番優れているというのがLASIKであるといわれています。そのためLASIKが近視の手術を
さすようになっています。
どのような手術ですか
図1 図2 図3 図4 図5
上に手術の手順を示しました。麻酔は点眼麻酔です。(図1)マイクロケラトームという器
械で角膜の表面を薄く切開します。一部は切らずに残します(図2)薄く切開した角膜を裏
返します(図3)角膜にレーザーを当てて角膜を削ります(図4)裏返した角膜を戻します
(図5)レーザーの照射は器械が自動的に行います。
なぜ近視が治るのですか
角膜は凸レンズです。角膜を削るとレンズの度数が弱くなります。左図が手術前右図は手
術後の状態です。手術前に比べて遠くからの光が後ろに像を結ぶのがわかるかと思います
これにより近視が矯正されます。
どのような人が適応になるのですか
日本眼科医会がガイドラインを決めています。それによると
@ 20歳以上 A 屈折異常(近視 乱視 遠視)が進行していない
B 近視は-6Dくらいまで、医学的に必要であれば-10Dまで
やってはいけない病気や慎重にしなければいけない病気がいくつかあります。
私はどのように思うか
LASIKは手術法も改良され安全な手術になってきました。手術する施設でしっかりとした
説明をうけ、納得できたなら手術を受けてもいいかと思います。ただ、健康な組織に傷
をつけ、長期の安全性が不明のため、手術に慎重な眼科医も多いことは知っておいてく
ださい。
どこで手術を受けるべきか
眼科専門医がいること、手術前に何回も検査や説明があること、メリットばかりでなく
デメリットの説明もしてくれるところ、症例の多いところなどが選ぶ基準です。
なげかわしい現況
首都圏では美容外科でこの手術をしたり、また競争が激しいところでは、患者さんに十分
に説明しないで治療している施設もあります。先日も、60歳の人がこの治療を受けて、そ
の後近くが見えないと受診した例、白内障があって視力が悪いのにレーシックを受けてき
た例、海外へのツアーのついでに治療を受けてきて具合が悪い例などを経験しています。
当院ではLASIKをしていませんが、適応かどうかどこで受けたらいいかなど相談をしてくだ
さい。
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