高血圧網膜症


人間ドックで高血圧といわれて眼科を受診するようにいわれました。眼底検査で
どのような変化が
わかるのでしょうか。何のために眼底検査をするのでしょうか。

眼底検査で何を調べるのですか
 高血圧になると全身の血管に異常がおきます。眼底は人の体で直接に血管を観察で
 きる唯一の場所
です。眼底の血管におきている変化は全身におきていると考えられ
 ます。高血圧による血管の
変化がおきると、脳梗塞、心筋梗塞になりやすいです。
 眼底で血管の変化の程度を知ることで
それらの病気の予防に役立ちます。

どんな変化がおきるのですか
 
血圧が高いと血管の壁に大きな力が加わります。血管壁はその力に対応するために
 硬くなり
ます。つまり動脈硬化がおきてきます。動脈硬化が進行すると血管の内径
 が狭くなってきて、
ますます血圧が上がります。さらに進行すると血液が流れなく
 なり、そこから先の細胞が死
んでしまいます。これが脳でおきると脳梗塞、心臓で
 おきると心筋梗塞です。
網膜に起こると高血圧網膜症になります。

眼底にはどのような変化がおきるのでしょうか
  高血圧による血管の変化と、高血圧が続くことにより起こる動脈硬化の変化があ
  ります。
高血圧の変化をH、動脈硬化の変化をSとしてHⅢSⅡのように判定し
  ます。ドックの報告書に1,2,3と書いてある場合もあります。

          


高血圧の変化 

         血圧が高くなると動脈が細くなります。狭細化(きょうさいか)という現
     
象です。血管がどのくらい細くなっているかによって程度を分類します。
        太さの比較は隣に走っている静脈の太さを基準にします。
       (動脈の太さ、上左の図のA)÷ (静脈の太さ、上左の図のV)
   正常(3/42/3)軽度(2/31/2)中等度(1/21/3) 高度(1/3以下)
  ②一本の動脈に太い部分と細い部分ができる口径不同という現象もおきます。
    これらの高血圧の変化は血圧が正常になると元に戻ります。

動脈硬化の程度
   ① 動脈の血柱反射が強くなる 動脈硬化がおきると血管壁が厚くなり光を反射
    するようになるため動脈の中央部が輝いて見えます。反射が強くなると
銅線
    動脈、銀線動脈と表現することもあります。

   (反射の強い部分 上中央図R)÷(血管の太さ上中央図C)で表現します。
  正常(4050%)軽度(4555%)中等度(60%以上)高度(銅線、銀腺)

       動静脈交差現象 動脈と静脈が交叉しているところでは動脈の壁が静脈を
   して静脈が細く見えたりします。ひどくなると静脈をせき止めてしま
うことが
   あります。動脈が交叉しているところと交叉していないところ
の太さを比べて
   分類します。
  
(交叉部の静脈の太さ、上右図V2)÷(交叉部以外の静脈の太さ、上右図V1
    で表わします。

    正常(1) 軽度(0.5以上) 中等度(0.5未満) 高度(0



高血圧網膜症
 上のような高血圧の所見が網膜におきてくるのを高血圧網膜症といいます。
  眼底検査で、次のような異常が見られます。
 ① 血管の壁から血液がしみだしている
 ② 血液が不足しているところに白斑ができる
 ③ 血管からもれた成分が溜まる(浮腫)
  治療せずに放置すると新生血管ができてきて大出血を起こすこともあります。   
 上の眼底は高血圧網膜症が進行した例です。

          
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