盲 点
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年初めですの
で気楽に読める話題です。盲点について中学の時に習ったかと思います。眼底の
視神経が集まる部分は視細胞がないために物が見えません。その部分を盲点とい
います。17世紀、フランスの物理学者のマリオットが発見したのでマリオット
の盲点といわれています。
マリオットの盲点を探してみましょう。
20cm位離れて下中央の図の黒い点を右目で見てください。だんだん近づいていくと
右の大きな丸が見えなくなるところがあります。丸の部分が盲点に入ったためです。
正確には盲点は視線の中心から15°位離れたところにあります。下左の眼底写真で
オレンジ色の丸い部分が視神経の集まった部分で乳頭といいます。この部分は物をみ
ることができませんのでマリオットの盲点になります。下右は緑内障の人の視野です。
右側の黒い部分がマリオットの盲点です。緑内障のために盲点から上のほうに暗点が
広がっています。
盲点があるのになぜ見えるのでしょうか
盲点のある部分は見えないのに、なぜ
全体が見えているように感じるのでし
ょうか。両目で見ているので補ってい
るからでしょうか、常にあるので気に
ならないのでしょうか。まだはっきり
とは解明されていませんが、次のよう
に視神経の伝達の過程で見えない部分
を補っているらしいといわれています。
右目で黒い点を見てください。近づけ
ていくと四角が見えなくなるところが
あります。消えた部分に何が見えます
か。棒が繋がって見えるかと思います。
このような働きで盲点を感じないで見
えていると考えられています。
もっとマリオットを知ろう
眼科では有名なマリオットですが、盲点以外のことは知られていません。
マリオット(E. Mariotte 1620?‐84)フランスの物理学者です。気体や流体の研究
をしました。
@ 気体の体積と圧力の関係のボイルの法則は聞いたことがあると思います。マリオ
ットも同じころ発見して、マリオットの法則と言っている国もあります。
A マリオットの瓶
上左の瓶は水の量が減ってくると流れ出る勢いが弱くなってきます。右の瓶は真ん
中に空気の入る管が通っています。そのため水が減ってきても、圧力は変らず、
水の流れ出る勢いは変りません。これをマリオットの瓶といいます。
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