霰粒腫
霰粒腫(さんりゅうしゅ)と言われました。切開したり、手術し
たりするそうですが、薬では治らないのでしょうか。どのような
病気でしょうか。ものもらいとは違うのですか。
@ 霰粒腫を知るためにマブタの構造と働きを説明します。
上の図はマブタと目の断面図です。右は、左の図の青で囲った
部分を模式図にしたものです。説明文の参考にしてください。
マブタには脂肪を分泌するマイボーム腺があります。マイボー
ム腺から出た脂肪は、涙の上を覆って涙が蒸発するのを防いだり
涙が外にこぼれ落ちるのを防ぎます。
A 霰粒腫とは
マイボーム腺が詰まり脂肪分が
溜って、炎症がおきてシコリが
できている状態です。俗に言う
ものもらいの一種です。
よく原因は何ですかと聞かれま
すが、わかっていません。手で
こすったとか、埃の多いところ
にいたとかも関係ありません。
ただ、その人によって出来やす
い時期があるようで上下左右の
マブタに次々と出来ることもあ
ります。人に移ったりはしませ
んので、学校も普通に通ってお
風呂にも入っていいです。
B 症状は
初期にはマブタが腫れる人がいます。腫れるだけで症状
のないこともあります。腫れてくるときに痛みが強く頭痛
や異物感を訴える人もいます。シコリを触れることもあり
ます。大きくなると皮膚側に破れて中身が出ることがあり
ます。中身がでると痛みが和らぎます。患者さんはメヤニ
が大量にでたと言う人が多いですが、出てくるのは脂肪分
です。
C 治療は
@ 薬 炎症を抑えるために、目薬を処方します。痛
みや腫れが強いときは、炎症や痛みをとる飲み薬
を処方することもあります。
A 切開 針をさして中身をだします。外来で簡単にで
きますが、大きくて破れそうなものだけこの治
療ができます。
B 手術 薬で様子を見てもシコリの大きさが変わらな
いときは手術で取り出します。手術はシコリを
取るのが目的です。シコリが残っても気になら
ない人は手術しなくてもいいです。上の図のよ
うにシコリはマブタの間にありますので、皮膚
側から切開する方法と、裏側(結膜側)から切
開する方法があります。シコリが大きければ皮
膚側から切開します。手術時間は10分程度で、
手術の傷が残ることはありません。
左が大きく腫れた霰粒腫です。右は皮膚側から摘出してい
るところです。
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