今年は花粉が多いです
花粉症の季節が近づいてきました。昨年は全国的に花粉の飛
散量が少なかったですが、今年は大量に飛散するとの予想です。
長野県でも昨年の8倍の花粉飛散が予想されています。
スギの雄花 スギの花粉
今年はなぜ花粉が多いのでしょうか
前年の夏に気温が高くて、雨が少なく、日照時間が長いこと
が雄花の生育には格好の条件です。日照不足で冷夏であった
1993年、1998年、2003年の翌年は飛散量が非常に少なかった
です。昨年の夏は、猛暑で7月の平均気温は2003年に比べて
3〜5度高く日照時間も前年より100時間以上も延びました。
また、昨年一年のスギ、ヒノキの花粉飛散がきわめて少なか
ったために木にエネルギーが残っていて雄花の生育の条件がい
いそうです。昨年の秋に台風が大量発生して、雄花が落ちた
のではと期待されたのでしたが台風による影響はほとんどな
かったそうです。
花粉はどのように飛散するのですか
雄花が成長して2月から5月にかけて花粉の飛散が始まりま
す。雄花を飛び出した花粉は、天気のいい日には朝から日照
による上昇気流にのり、スギ林から上空に舞い上がり、風に
乗って時には数十キロ、数百キロ離れた場所まで飛散し日没
とともに地上に落下します。よく晴れた日、特に雨上がりの
翌日と風の強い日は飛散量が多い日です。都会では、スギ林
はないのですが、地面がコンクリート舗装されていて落ちた
花粉がまた舞い上がります。
花粉の測定方法は
上右の写真のような花粉採集器を使います。直径23cmの円板
にワセリンを薄く塗ったスライドグラスを水平に設置して、
スライドグラスに付着した花粉の数を顕微鏡でカウントし、
1平方センチあたりの花粉数で表します。
昨年の長野市では430個でしたが今年の予報では3644個です。
スギは昔からあったのに、なぜ最近花粉症の人が増えたか
答えはわかっていません。戦後植林された杉が成長して花粉
を飛ばすようになったから、住まいの機密性がよくなり、カー
ペットなどの部屋が増え花粉が家に閉じこもりやすくなったか
ら、自動車の排気ガスとの関係、生活がよくなり寄生虫にかか
っている人が減り体質が変わったなど指摘されています。
花粉症の対策は
花粉症は原因となる花粉が飛散する時期だけ発症します。その
時期にあわせてあらかじめ対策を立てて発症しても程度が軽く
なるように心がけてください。大切なのは花粉を避けること。
自分にあう薬をみつけ早めに使い始めることです。
眼科でも、アレルギーの点眼薬の種類が増えてきました。早め
の受診をお勧めします。
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