後 発 白 内 障
何年か前に白内障の手術をしたのですが、最近見えにくくなってきました。後発白
内障といわれました。レーザーを当てると見えるようになるそうですが、どのよう
な状態なのでしょうか。
どのような状態でしょうか
白内障の手術では、下左の図のように水晶体の袋を残して、その中に眼内レンズを入
れます。後発白内障では下中央の図のように残しておいた水晶体の袋が濁ってくる状態
です。下右の写真は、後発白内障です。眼内レンズの後ろに白い膜があるのがわかると
思います。
なぜおきるのでしょうか
原因はわかっていません。長期に診ると必ず全員に起きてきます。ただ、視力に影
響するほど濁る人と僅かしか濁らない人、手術後数ヶ月で濁ってくる人、何年もし
て濁ってくる人など個人差はあります。手術法の工夫や眼内レンズの改良などがさ
れていますが、その効果はごく僅かです。日常生活での注意で予防できません。
おきるときはおきると考えてください。
どのような症状があるのですか
白内障の初めのような症状です。かすみや眩しさ、進行すると視力が下がってきます。
治療は次のようにします
後発白内障がおきただけで直ぐには治療しません。視力が低下して不自由を感じる
ようになったら治療を考えます。方法は、レーザー光線を濁りに当てて、水晶体の袋
の中心部の光が通過する部分に孔をあけます。中心部だけ孔を開けるので、周辺の袋
は残っていますので眼内レンズが落ちる心配はありません。(下左図)
右の写真は術後です。白い濁りがなくなっているのがわかります。
実際の手順を説明します。
@ 瞳を開く目薬を使って、瞳を大きくして濁りを観察しやすくします。
A 痛み止めの目薬をして治療用のレンズをつけます。
B レーザーの光を濁りに照射します。痛みは全くなく数分で終わります。
C 治療後にはすぐ帰れます。その日から生活の制限はありません。
D 瞳が元の大きさに戻るのに半日くらいは眩しさがあります。
E レーザーで飛ばした濁りはしばらくはチラチラと見えますが1ヶ月ほど
で自然と吸収します。
合併症 ごくまれに治療後に網膜剥離が発症することがあるので眼底の定期検査が必要です。
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