チック症
本人の意思とは関係なく、無意識に体のさまざまな部分が動くのが
「チック症」です。以前は、精神的ストレスが原因と考えられ、親
の育て方に問題があるようにいわれていました。そのために苦しん
だ親も多いかと思います。最近では、脳内の物質の異常であること
がわかってきました。チック症に対して正しい知識を持って子供に
接していきましょう。
チック症の種類
症状による分類
運動性チック 瞬きをする(眼科ではこのことで受診することが多
いです)首をふる、舌打ちをする、かみつく、自分
をたたく
音声チック 咳払いをする、鼻を鳴らす、状況に合わない言葉を
繰り返す、言葉を反復する
経過によっての分類は
一過性チック障害 どのようなタイプでも1年以内になおるもの
慢性運動性チック障害 運動性チック、音声チックのどちらかの症状
が1年以上続くもの
トゥレット障害 運動性チック、音声チックの両方が1年以上
つづくもの
症状は心理的な影響で変動し、自然の経過として変動します。
頻度は
軽いものまで含めると学童の10〜20%くらいに発生します。
男児が女児の1.5倍〜3倍です。
18歳未満の発症であり、7歳ころが一番多いです。
原因ときっかけ
いままでは、精神的なストレスが原因と考えられてきました。最近
では、大脳で分泌される神経伝達物質(ドーパミン)が何らかの原因
で過剰になることが原因とわかってきました。そういった素因をもっ
た子供が、精神的なストレスをきっかけに発症することが多いようです。
「目にごみが入ったときの瞬きが癖になった」というような具体的なき
っかけがある場合もあります。症状のでやすいのは、ボーとしている
とき、緊張や不安で大きく気持ちが動くときなどです。集中していた
り、睡眠中にはおきることはありません。
治療は
ほとんどの場合は、年齢とともに軽くなっていくので、治療を受ける
必要はありません。家族がチック症の症状を理解して、見守っていく
ことが基本です。本人は気にして苦しんでいるわけですから家族は、
「しからない、注意しない、話題にしない」ことが大切です。見てみぬ
振りをしていてください。幼稚園、保育園、学校でも注意しないよう
に説明しておくことが大切です。 症状が重いときや、本人が気に病
むようならば医療機関を受診して、ドーパミンの働きを抑える薬物療
法、ストレスや不安を和らげる心理療法をうけるといいでしょう。
家族が知っておくべきこと
チックの原因は家族の育て方や本人の性格では
ない。大多数は一過性で、成人までには軽快する
ことが多い。チックを欠点と考えず、特徴と考え、
温かく見守ってあげることが大切睡眠中におきる
ようでしたら別の病気を考えて詳しく検査する必要
がある。
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