山本正之ライブ・レポート


2001年12月14日、都内某所にて

午後5時50分。ハガキに書いてある住所に、ライブハウスがあるっていう記憶が無い。見つかるかなぁ・・・。
兎に角、近くまで行って探すことにしよう、と思って歩いていると・・・。
突然、長〜〜〜〜〜〜い、男ばっかしの行列を発見!!ああ、ココに間違いないな・・、と確信する。
後ろの方でもイイや、って思ったんで、参加者みんなが入場し切ってから、ゆっくり入る。
するとそこは、ライブハウスとかじゃ無くて、マンションの1室を改造してある、フリー・スペースだった。
並べてある椅子に座ると、ステージには既に山本正之の姿が見える。椅子を数えてみると、80席用意してあった。そこに座っている参加者一人一人の名字を聞いただけで、「橋本さん?っていうと、仙台に住んでる橋本アキラさんだね、よく来てくれたね〜」(※仮名)等の会話をしている・・・。いやまぁ何とも凄い記憶力!
開場してから開演までの40分の時間は、全て山本氏本人と参加者80人との会話で埋められていった・・・。
山本正之のライブは、いつも時間ピッタリに始まる。これは、彼のポリシー。開演時間の6時半になるのを秒針まで確認して、ハイ、いよいよスタートだ!


「リークエストー、リークエストー ♪〜」
6時半になった途端、みんなが一斉に手拍子と共に歌い出したのには、かなり驚いた。
そう、今日のライブは、リクエスト・ライブ。先ほどから、オーディエンス(ライブ鑑賞者)のコトを、“参加者”と表現しているのには、こういう意味があったのだ。つまり、観客から、その場で受けたリクエスト曲を、山本正之がギターを弾き、唄うのだ。山本正之の持ち曲は、JASRACに登録してある曲だけでも824曲もある。未登録の曲を合わせると、何千曲も存在し、コアなファンになると、その知られざる筈の楽曲名を知っていたりするんだなぁ〜これがまた。レコードになってなかったり、CDに入ってなかったりする曲を、どうやってファンは知るんだろう・・・。ライブで1度だけ演奏した曲とか、かな???
リクエストは、当然、ファンなら「自分のリクエスト」に答えて欲しいと思うモンだ。んじゃ、一体、この80人の中の、誰のリクエストを受けるのか?人選の方法とは???
その方法とは、山本正之本人が、自分のグッズや個人の持ち物、レアなアイテム等を会場に持って来ていて、それを、“一番高い金額で落札した人”に、そのリクエストの権利が与えられる、っていうルールなのだ。
演奏される曲数は、全部で10曲。つまり、80人中10人が、何かの品物を、いくらかで購入し、その人が選んだ曲を(山本正之の作詞作曲したモノに限定)リクエスト出来る、ってコト。
こりゃぁ面白そうだな♪何の曲が良いか、ってのだけ、決めとこ〜っと(^_-)
ここで、一つだけ、説明しなくちゃ、だった!
ここで集まった、落札金額の全てと、80人の入場料の全ては、日本赤十字社に、山本正之氏の手によって寄付され、その領収書のコピーは来年の同じライブの時の入場の際、全員に配布され、確認されるコトになってるの。私も今回、去年の領収書のコピーをもらいました。すごい金額だったんで、びっくりしちゃった。


まず、1曲目。山本氏の手には、使い捨てカメラ。
どうやら、この、購入価格○百円のカメラを落札した人は、そのカメラで、山本正之とツーショットを撮るコトが出来るらしい。
「1000円!」」「3000円!」「5000円!」・・・・
声が飛び交う。結局落札したのは高校生の男の子。彼の全財産に近かっただろう金額だった・・・。
因みに、この値段があれば、TIでライセンスが取得出来ます。(笑)
1曲目から10曲目まで、曲目は全部私が知らない曲だった。(爆)
有名な、タイムボカン、ヤッターマン、開け!チューリップ、鶯谷ミュージック・ホールとかは、私が行った日にはリクエストが無かった。残念〜。
「燃えよ!大リーグ」とかの、燃えよシリーズが2曲あったな〜。演奏前に、山本正之が「星野ぉ〜行かないでぇ・・」って、イントロ入れてたな(笑)
「燃えよ!ドラゴンズ」では無かったけど。
自筆歌詞カードのコピー、CDのジャケットの撮影の時に来ていた服、更には日赤からの感謝状や記念品、非売品のCD等、色々なモノが○万円で落札されていく様子は、何か異次元に迷い込んだ気持ちになって、私は完全なる傍観者として、その様子を眺めていた・・・。
オークションに出品された中で、これらは多分、毎年毎回のお決まりなんだろうな、ってのが、最初のカメラ以外に2つあった。
1つは、「山本正之が、あなたの膝の上で、あなたの為にグラスハーブでお好きな曲を演奏します」ってヤツ。これを落札したのは、多分熱狂的なファンなんだろうな、母娘で来てた母の方。
・・・鈴鹿のライセンスが母娘で取得出来る値段だったな。
もう1つは、真っ白の五線紙が出されて、「これに、山本正之は、落札した人の為のオリジナル曲をその場で作り、それを演奏し、録音した音源と楽譜と共にお持ち帰り下さい」ってヤツ。
隣に座った人が、「2万!」って言った声に驚いちゃった!
残念ながら、彼は落札出来ませんでしたが・・・。(;^_^)


まるで夢でも見ていたかのようなライブだった。
会場を出る時には、一人一人、山本正之と握手をしてから外へ・・・。
開演前の話で分かるように、彼は、参加者全員のフルネームを暗記して来ているワケだから、まぁ、ファンにとってはたまんないよね!みんな、幸せそうな顔をして帰って行きまして・・・。
このライブに来て、思うことは多々あったな。うん。感情を動かされないライブなんて、意味も無いけれど、ここまで考えさせられたライブも珍しいだろうなぁ。
私も、山本さんみたいに、世の中に貢献出来るような人物になりたいな。しかも、彼は、歌でそれをやってるんだモンな。理想的だ。今回で9回目らしい。その全ての寄付金を合わせたら、数千万円?もの寄付になるってコトだ。すごい。
それと、やっぱし彼のカリスマ性っていうのかな、それが今回、よぉ〜く分かった。そこまでの人物になれるコトって、何なんだろう。ず〜っとやり続けるコトの深さと重さを思い知らされちゃった。継続は力なり。そして、初心忘れるべからず、ってコトだ。
せっかくこの世に生まれて来たんだモンね。何か残したいモンだよね。がんばろ〜っと♪