このQuodlibet とは「ごたまぜ」、「寄せ集め」とか、「メドレー」という意味のドイツ語です。
過去の Quodlibet: 2005年11月

研究職の方には毎年おなじみ、科学研究費補助金の申請書作りが終わり、その他もろもろの書類作りが終わってみると、すでに11月も後半。家人、慶事につき里帰り中、ということで、休日くらいは家でのんびり過ごすことにしましょう。(こうしてみると、独身時代、休日に何をしていいたのか、我が事ながら思い出せず???)。

せっかくスピーカーを新しくしたので、昔のCDを聞き直しております。 音の解像度が変わると、こんなにも印象が違うのか、とびっくりすることもあります。 もう、チャイコフスキーの悲愴の第4楽章の 1st Vn と 2nd Vn の掛け合いが楽譜通りに分離して聞こえたのはびっくり(ウソ)。

ショックだったのは、かつて気に入って聞き込んでいた同曲のCDで、第3楽章の始めの頃のベースとチェロの伴奏がズレズレだったのを、今さらになって気がついたこと。ロシアの御大の指揮によるもので、情感が豊かで全体的にはマルなんですがね...。楽譜を確認すると、問題の箇所(19小節目あたり)で、コントラバスの頭打ちは良いとして、チェロの後打ちのタイミングが異常に早い。ブン、チャ、ブン、チャ...といくところがブチャ、.、ブチャ、...という感じ。こういうのは気づいてしまうと、耳について離れないもので気になって仕方が無い。ロシアの楽譜はそうなのかもしれない、と思って別のロシアの演奏によるものも聞いてみたのですが、こちらは問題ナシ。ということは御大の演奏の現場で、何が起こっていたのか...? そして、それに気づかなかった自分の耳は節穴だったのか...?

Staatskapelle Dresden/Haitink, Brahms Sym No.1そんな中で、ハイクォリティーな演奏だったのを再確認できた、というのも喜ばしいこと。ドレスデン・シュターツカペレとハイティンクによるブラームス交響曲1番のライブ録音。これは演奏水準の高さ、録音の素晴らしさともに抜きん出たものを感じます。弦楽器の艶やかさや、調和のとれた木管楽器のtuttiが実に良く再現されています。不自然なことを一切やっていないので、オーケストラの「素材の良さ」を安心して楽しめる、という点でもこのディスクは聞き物ですね。カペレとハイティンクの組み合わせは、悪くないと思うのですが、あまり録音を残してくれていないのが残念。スピーカー購入後の聞き直しで、衝撃度ナンバー1は、今のところこのディスクです。

全くの余談ですが、某サイトで、ブラスアンサンブル版の「ジョンウィリアムス・メドレー」の楽譜を見つけてしまいました。スターウォーズ、スーパーマンだけでも十分ですが、レイダースやらETやらも入ってました。これは演奏可能(著作権的に問題ないのか?、という意味と、技術的な意味を込めて)なのか? (2005/11/27)